【文・写真=田尾秀子】
最近ソウルや釜山、大邱で美容をはじめとする医療機関で受診し観光する、医療観光ツアーが注目されています。今回私は大邱で韓国の伝統医学、韓医院を訪れました。そこで初めての受診体験をお話しします。
薬令市場韓医薬博物館入口の薬令門
韓国で美容を含む医療観光都市として、ソウルや釜山に次いで人気を集めているのが大邱です。
大邱には大きな薬令市場があり、国内で唯一「メディシティ」という都市ブランドを持っています。
そして市内の寿城区には約200の韓方専門医療機関があるそうです。
韓方とは?
韓国の伝統医学である韓医学のことを指し、漢方医学をもとにして発展したもので、韓国で古くから広く使用されてきた伝統的な治療法で、韓方薬や鍼灸、指圧などがあります
。 その韓医学を確立した人物として、今もなお敬われているのがホ・ジュン(許浚)です。
ホ・ジュンはどんな人物?
李氏朝鮮時代に活躍した宮廷医師であり、彼の医学知識と経験を集大成して長い歳月をかけて編纂した文献がかの有名な「東医宝鑑」です。この文献が現在の韓医学のベースになっていると言われています。
私はこれらの興味深い背景を知り、特に体の具合が悪いというところはありませんでしたが、韓方医療を体験してみたくて韓医院を訪れました。
東医宝鑑(薬令市場韓医薬博物館にて展示)
体験内容
まず始めに機械を使用して体に電流を流し、脳や各臓腑、神経の亢進や低下が数値化されます。
脈診の後、私の主訴(冷え症など)とデータを見ながら私に合った治療を考えてくださいました。
鍼(頭部、腹部、足)とお灸(腹部)で体を温める治療と、機械を使用して逆立ち状態になるコクリを(5分間)体験しました。
最後に私に合った韓薬を処方していただきました。
チェ・ジェヨン医師(左)。脈診と問診から私に合った治療内容が決められます。
感想
今まで西洋医学での病院でしか受診したことがない私にとっては、韓医院がとても興味深かったです。
日本だと「冷え症」というだけで病院にかかる人は殆どいないと思いますが、韓国には韓医院があるので、病気の状態まではいかなくても、何となく不調を感じるときは何でも相談できるのでとても良いと思いました。
また、初めての体験で少し緊張していましたが、先生やスタッフの方々が本当に優しく親切に対応してくださったので安心して受診できました。また機会があれば、ぜひ受診したいです。
そしてもっとたくさんの人々に大邱を訪れて韓方医療体験をして頂きたいと思いました。
最後に医院での受診体験が叶ったのは、メディシティである大邱広域市の寿城区医療観光(수성구의료관광 )で韓医院へ橋渡ししてくださったからです。今回の体験に関わってくださった方々に感謝いたします。
*この記事は、日本のKOREA.net名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。
hjkoh@korea.kr