ひと

2014.04.09

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母国でよく食べていたチョコレートを食べられなくなったこと以外は不満がないない。それほど韓国生活が幸せだと話す異邦人がいる。2009年に生まれ育ったデトロイトを離れ、韓国に落ち着いて5年目のドミニク・ディンキンズ(Dominic Dinkins)さんがその主人公。最近、ディンキンズさんは自分が運営するブログ「Dom & Hyo」でかなりの人気を得ている。韓国で感じたことを率直に、そして個性的に表現した彼のインフォグラフィック(情報やデータを視覚的に表現する手法)は韓国に暮らす人々には共感を、外国から韓国を見る人たちには好奇心を呼び起こしている。

ブログ「Dom & Hyo」で人気を集めているドミニク・ディンキンズさん(写真:イ・スンア記者)

ブログ「Dom & Hyo」で人気を集めているドミニク・ディンキンズさん(写真:イ・スンア記者)


ディンキンズさんは2009年に韓国に来た。韓国生活を決心したきっかけについて彼は「韓国という国は小さい頃から知っていた」と答えた。「教育ママ」の影響で幼いときから水泳、ゴルフをはじめ様々なスポーツを習い、テコンドーにまで手を伸ばしたのだ。彼は「黒帯の有段者」と自慢げにに笑って見せた。韓国定住を考え始めた背景については「先に韓国生活を始めた親友に勧められた」と説明する。韓国で英語塾の講師として働いている友達は韓国生活が非常に楽しくダイナミックだと、ディンキンズさんにも勧めた。ディンキンズさんは生活情報や定着の手続などを調べながら韓国に魅了され、韓国に行こうと決心してから実際に入国するまでたった3カ月しかかからなかった。現在ディンキンズさんは仁川(インチョン)九老(クロ)中学校のネイティブ英語講師として働いている。

ディンキンズさんとクォン・ヒョソンさんの幸せなラブストーリはブログ「Dom & Hyo」の主要テーマとなっている(写真:ドミニク・ディンキンズ)

ディンキンズさんとクォン・ヒョソンさんの幸せなラブストーリはブログ「Dom & Hyo」の主要テーマとなっている(写真:ドミニク・ディンキンズ)


彼がブログをスタートしたのは韓国で暮らし始めて2年ほど経った2011年。「Dom & Hyo」というブログのタイトルからも推測できるように韓国人の彼女、クォン・ヒョソンさんの影響が大きかった。グラフィックを専攻したディンキンズさんがその才能を活かして、クォンさんとの恋愛ストーリを面白おかしく描き始めたのがブログを始めたきっかけとなった。

ディンキンズさんとクォンさんが出会ったのはオンライン学習サイトだった。出会い目的でコミュニティに加入したと 誤解されないように、ディンキンズさんはノートと筆記具を持参していた。純粋に勉強をするためだということをアピールするためだった。クォンさんもノートと筆記具を持って待ち合わせの場所に現れた。しかし2、3回会っているうちに2人は互いに好感を抱き始めた。ブログには、このカップルが初めて会って不自然ながらもワクワクしていたときから、互いにすっかり慣れた現在までの流れがすべてが載っている。

ブログには面白いエピソードも多い。初対面でカフェに入った2人。ディンキンズさんが「アメリカーノは好きじゃない」と話すと、クォンさんが驚きながら「アメリカ人は皆アメリカーノが好きなものではなかったのか」と可愛いリアクションを見せたエピソードは読んでいて微笑ましい。

最初は2人のラブストーリーを主な素材としていた「Dom & Hyo」だったが、次第に韓国生活全般について話す「コミュニケーションの窓口」へと発展した。とくに若者世代を中心に使われる「ネット用語」である絵文字や省略語など、韓国ではよく見られる表現が共感を得ている。最近は韓国料理や春の祭りなどをテーマにしたインフォグラフィックが良い反応を呼び起こしている。

「Dom & Hyo」に掲載されたコンテンツには、オンラインで使われる絵文字や縮約形の言語などが紹介されている(写真:ドミニク ディンキンズ)

「Dom & Hyo」に掲載されたコンテンツには、オンラインで使われる絵文字や縮約形の言語などが紹介されている(写真:ドミニク ディンキンズ)


たとえば、オンラインでコミュニケーションをとるときに感情を記号で表す絵文字としては泣き顔を表現した「T_T」、照れているような「*^^*」、混乱を表現した「@_@」などがある。また、略語としては笑い声の「ハハハ(하하하)」を簡単にした「ㅎㅎ」、「オッケー(오케이)」を意味する「ㅇㅋ」など様々な日常の表現が載っている。

ディンキンズさんは「多くの人々が興味を感じることのできる有益な情報を提供したい。これからも個性的な内容をたくさん発信していきたい」と話す。
ディンキンズさんとクォンさんは年末頃に結婚する予定だという。

コリアネット イ・スンア記者
翻訳:イム・ユジン
slee27@korea.kr