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2017.10.17

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今年で設立10周年を迎えた世宗学堂について説明している宋享根世宗学堂財団理事長



[ソウル=ホ・ソミ、イ・ギョンミ]
[写真=キム・シュンジュ]

海外で韓国を教える教育機関である世宗(セジョン)学堂が今年で設立10周年を迎えた。

世宗学堂は2007年、モンゴルのウランバートルで初めてオープンし、当時3カ国13カ所で韓国語の教育を始めた。その後、教育を受ける人々が増え続け、2012年には世宗学堂財団に発展した。

現在はアジア・欧州・アメリカ・アフリカ・オセアニアなど各大陸の54カ国171カ所で韓国語を教えており、全世界の韓国語教育者の専門性を高めるための「世界韓国語教育者大会」、受講生たちの学習意欲を向上させるため開催される「韓国語スピーチ大会」などを開催している。

世宗学堂の宋享根(ソン・ヒャングン)理事長は、世宗学堂を「世界中の小さな韓国」と定義し、「韓国を理解する通路、韓国を覗き見る窓」と付け加えた。先月22日に行ったインタビューで宋理事長に「韓国語の世界化」と、これまでの「世宗学堂の発展」に関する話を聞いた。

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「学生に均等な教育の機会を提供するのが世宗学堂の目標」と述べている宋享根世宗学堂財団理事長



―韓国語教育への高い需要、その理由は?

韓国に対する関心は爆発的に増えた。
代表的に韓国語能力試験(TOPIK)が挙げられる。実施されてから約30年となり、去年は受験者数が25万を越えた。

世宗学堂に来る外国人に「どうして韓国語を学ぶか」と聞くと、50%が韓国の大衆文化に興味があるからだと答える。
ドラマやK-POPなどから始まった韓流は、中国・日本・東南アジア・中央アジア・欧州・北米・南米・アフリカまで広がり、今は韓国への関心に繋がっている。この中に「韓国語」がある。

―世宗学堂にはどんな変化があったか。

今年新設された世宗学堂は6カ所で、その競争率は9対1を記録した。また、去年イラン・テヘランの世宗学堂では、受講申請の前日の夜から300人が並んだ。メキシコでも韓国への関心が後を絶たない。メキシコシティの市役所は韓国語授業のため教室を支援するとし、世宗学堂にさらに多くの韓国語授業の開設を要請した。

―全世界の世宗学堂では同じ教育を実施するか。

各国の全ての学生に均等な教育の機会を提供することが世宗学堂の目標だ。財団は英語、中国語、スペイン語、ロシア語などの7カ国語で「世宗韓国語」との本を出版した。

―世宗学堂の発展方向は?

世宗学堂は専門的な韓国語教育機関になるため、これまで教員の教育とオンライン学習に重点を置いてきた。

全世界の世宗学堂教員は約650人で、韓国から70%派遣され、基本的に韓国語教員資格を持っている。30%は現地の外国人教師で、韓国語や語文学を専攻した。財団は教員らに再教育と養成教育を提供し、専門性を極める方向へと発展している。

オンラインでの韓国語学習も欠かせない。インターネットの発達に伴い「ヌリー世宗学堂」を立ち上げた。今年で会員数が10万人を突破し、会員登録をするだけで学習者・教育者に教材、教習方法、教育コンテンツなどを提供する。

―世宗学堂のビジョンとは?

10年間、多くの成果を挙げ、この成果を基にした将来像を描いている。

全世界に多くの学堂が広がっているだけに、学堂ごとの特性化・現地化に取り組む。去年から「拠点世宗学堂」を作り、優秀な事例を見つけて普及し、大陸別に各地域における本部の役割を果たせるようにするのが目標だ。

韓国にも世宗学堂を知らせ、外国人が「韓国語を勉強したいが、どこへ行けばいい?」と聞いた時、全ての人が「世宗学堂へ行きなさい」と言える日まで努力する 。

km137426@korea.kr