9月21日、米国公共ラジオ局のナショナル・パブリック・ラジオの番組プログラム「タイニー・デスク・コンサート(Tiny desk concert)」での李熙文(中)=NPR公式サイト
[ソウル=ソ・エヨン、キム・ウニョン]
赤髪とレザージャケット、そして濃くて派手な化粧
韓国伝統民謡にロック・ジャズ・ファンクなどの西洋音楽を融合させ、観客を迎える歌い手の李熙文(イ・ヒムン)の姿。
京畿(キョンギ)道の名唱(韓国伝統民謡の名人)である高柱琅(コ・ズラン)氏の息子である彼は2003年、韓国重要無形文化財第57号・京畿民謡保有者の李春羲(イ・チュンヒ)氏の誘いで伝統民謡に入門した。同年、京畿民謡履修者となった。
彼は、2014年から6人組バンド「シンシン(SsingSsing)」を結成し、韓国民謡を現代的に再解釈してきた。
同バンドは9月21日、米国公共ラジオ局のナショナル・パブリック・ラジオ(National Public Radio、NPR)の番組プログラム「タイニー・デスク・コンサート(Tiny desk concert)」に韓国歌手としては初めて出演し、注目を集めた。「タイニー・デスク・コンサート」には、アデル・アドキンス(Adele Adkins)、ジョン・レジェンド(John Legend)、キャット・スティーヴンス(Cat Stevens)など、世界的に有名な歌手が出演した。
このユーチューブ動画の再生回数は23日、84万人(午後12時基準)を越えた。
コリアネットは李氏を17日、ソウルでインタビューした。
新作品「深い舍廊(サラン)、愛(サラン):四契軸」を披露している李熙文=17日、ソウル、 西村空間ソロ
-京畿民謡に多様な現代的な要素を融合させた公演を披露した。国楽(韓国の伝統音楽)系の反応は。
思考と伝統を考える視点が変わった。母が伝統音楽をしていたので、私もその影響を受けて、伝統を守らなければならないとの固定観念にとらわれた。しかし、色んな経験をしてから伝統は継続に進化させなければならないことに気付いた。伝統が生き残るためには、多様な変化が必要だと思う。
―外国人観覧客の反応は。
(彼らは)西洋音楽とは異なって、新鮮な魅力があると言う。
私は海外音楽を聞くと歌詞より、メロディーに引かれる。外国人も韓国語の歌詞が理解できなくても、そのメロディーだけでも十分に楽しめる。
また、歌う前に曲の内容について説明するので大丈夫だと思う。
―新作品「深い舍廊(サラン)、愛(サラン):四契軸」について。
京畿民謡の歴史に映像・美術・デザインを融合させた。伝統音楽そのものを披露する公演だ。
昔、農閑期の男は土を掘って稲わらで穴倉を建てた。その穴倉を「深いサランバン(舍廊)」と呼んだ。「四契軸」は、現在のソウル駅から靑坡(チョンパ)洞までの区間で、多くの名唱が輩出された。
現在、京畿民謡の歌い手は殆ど女子だが、その始まりは男子だ。この作品を通して男子の歌い手を再照明したい。
―今後チャレンジしたい分野は。
お芝居、美術などの現代芸術分野にチャレンジしたい。
しかし、どんな形であっても、公演の核心は「京畿民謡」であり、「国楽」だ。
来年の2月からは、オーストラリア・米国・ドイツなどの海外公演も行う予定だ。
eykim86@korea.kr