[ソウル=ミン・イェジ、イ・ギョンミ]
[映像=キム・シュンジュ、チェ・テシュン]
「文学における韓流が始まった」
世界市場で韓国文学が人気を得ているとの朗報に対し、韓国文学翻訳院の金思寅(キム・サイン)院長はこう評価した。
韓国文学の人気が感じられるのは、韓江(ハン・ガン)作家の「国際ブッカー賞」受賞や黄晳暎(ファン・ソギョン)作家の「アジア文学賞」受賞だけではない。
チョン・ユジョン作家の小説「種の起源」は、米テレビ番組「NBC Tonight Show」が6月5日に発表した「夏休みにすすめる本」に選ばれた。キム・オンス作家の小説「設計者たち」は、米有名出版社であるダブルデイと版権の輸出契約が結ばれた。ドイツのシュピーゲル誌は、韓江作家の小説「菜食主義者」について、有名作家のフランツ・カフカを連想させると絶賛した。
コリアネットは9日、韓国文学(K-文学)の外交本部としての役割を果たす「韓国文学翻訳院」の金思寅院長から、韓流の新たな主役となっているK-文学について語ってもらった。47カ国語で翻訳された2万冊以上の翻訳図書がある「韓国文学翻訳院の翻訳専門図書館」からは、韓国文学の海外進出に向け取り組む努力が感じられた。
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韓国文学翻訳院の金思寅院長=9日、ソウル、ゾン・ハン撮影
―韓国文学に対する海外からの関心が高まっている。原因は。
韓国文学の韓国ならではの文学的・歴史的な底力がいよいよ認められている。優秀な翻訳家の努力も高く評価されなければならない。
―世界の人々を魅了した韓国文学の特徴は。
西洋人の目からは、社会の変化や経済的な成果などを遂げた100年の韓国現代史は不思議に見える。戦争や政治的な激動の中で手にした経済的な繁栄、その過程で生じる傷や葛藤は韓国文学に溶け込まれている。これは、西欧の読者にとっては珍しい経験だ。
同時に、韓国文学は、ただ「不思議で見慣れない」との水準から脱して、美的・哲学的に高い水準まで達している。
―実際に海外の読者が多くなったことを体感するか。
もちろんだ。2015年から2017年まで3年間、韓国文学を翻訳して出版したいとの海外出版社からの要請が、20件から70件に3倍以上増えた。これは、西欧の有名出版社が自発的に韓国文学の翻訳出版に乗り出したとの証拠だ。だが、満足できるような数値ではない。しかし、我々が翻訳・出版を要請して説得した過去に比べれば驚くべき変化だ。
―K-文学の発展に向けた翻訳院の努力は。
東南アジア・アフリカ・アラビア・中央アジアなど少数言語圈の読者に、韓国文学の魅力を伝えるための努力を強化していくつもりだ。
また、現代文学の前までの5千年間続いてきた韓国文学の魅力も世界の読者に伝えるため努力する。
―コリアネット読者に紹介したい韓国小説は。
推理・スリラー要素で海外の読者から反応のあるキム・オンス作家やチョン・ユジョン作家の小説を紹介したい。
在日朝鮮人の小説家である金石範(キム・ソクボム)
の長編小説「火山島」、中国朝鮮族を代表する作家金学鉄(キム・ハクチョル)作家の「激情時代」も海外の読者に受け入れられると思う。
韓国文学翻訳院はこれから、隠れている優秀な韓国文学作品を世界に知らせるため取り組む。
jesimin@korea.kr