ひと

2020.05.01

世界に広がっている新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ19)。韓国政府や韓国国民がこれまで助け合い、寄り添い合ってコロナ19を乗り越えようとするエピソードを描いた動画「韓国は不思議な国?」がネットで話題となっている。その不思議な国で活動している不思議な人々。彼らの不思議な話に耳を傾けてみよう。


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コロナマップを開発した李東訓さん=16日、ソウル

[ソウル=イ・ギョンミ]

[写真=キム・シュンジュ]

「コロナマップ」(coronamap.site)とは、韓国における新型コロナウイルス感染者情報が一目で分かるサイトで、新型コロナに関する情報を提供するサイトやアプリの中で一番最初に登場した。疾病管理本部が発表するデータを基に、感染者の移動ルートや隔離場所が地図上に示されるだけでなく、一日の感染者数や退院者数などの情報が毎日アップされる。韓国語と英語で提供される同サイトの累積利用者数は、16日時点で4千200万人を超えた。

このサイトを開発したのは、大学生でありながら、スタートアップを運営する代表である李東訓(イ・ドンフン)さん。1月30日にサイトをオープンして以来、何の利益も追求せずに、今もサイトを運営している。

コリアネットは16日、ソウルで李さんにインタビューした。コロナマップを作ったきっかけについて李さんは「インターネット上で、新型コロナに関するフェイクニュースが飛び交い、それとともに人々の間に恐怖心が広まった」とし、「正確な情報を提供することで不安をなくし、利用者が公式の情報を簡単に入手できるサイトが作りたかった」と答えた。



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コロナマップのキャプチャー


李さんは、感染者数が急激に増えた2月末~3月初め頃が一番きつい時期だったと話した。一気に数百人の感染が確認され、システムを変えなければならない状況になったのだ。そのため、睡眠も削って、全力を尽くしたせいで体調を崩してしまった。ところが、ボランティアの大学生20人のおかげで、無事運営を続けることができたと話し、感謝の意を表した。
しかし、時間が経つにつれ、状況が変わってきている。新規感染者数が減っていることも影響しているだろうが、李さんは、その理由として、今や多くの人々に定着した「新型コロナウイルスに対する高い市民意識」を挙げた。感染者数は増え続けているが、自ら自宅待機のルールを守る人も増え、移動ルートの情報のアップデートにかかる時間が短くなったという。多くの人々が新型コロナウイルス予防対策をよく理解していることの証だろう。



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自分が開発したコロナマップについて説明する李東訓さん=16日、ソウル


日本・米国・英国・フランスなど、世界各国から問い合わせのメールが来ていると言う李さん。世界中から熱い注目を浴びているのが不思議だと話しながら、コロナマップのおかげで2月17日には青瓦台(大統領府)にも招待された。当時、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が自分の名前に言及し、称賛した時は本当にうれしかったという。

最後に、李さんは「自分が好きでやっていることなのに、たくさんの人々が応援してくれる」とし、「今後、新規感染者数が0になり、コロナマップの運営を終了することが目標だ」と語った。

km137426@korea.kr

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