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2024.05.22

景福宮を背景に写真撮影をするソフィー氏(左)とサラ氏=10日、ソウル、ジョン・ハン撮影

景福宮を背景に写真撮影をするソフィー氏(左)とサラ氏=10日、ソウル、ジョン・ハン撮影


[ソウル=イ・ギョンミ]

ソウル市内には、景福宮、昌徳宮、徳寿宮、昌慶宮、慶熙宮の朝鮮時代の5大古宮が残っている。騒がしい都心にありながらも静かな宮殿は、いつ訪れても、心に安らぎを与えてくれる。

このような韓国の古宮の魅力にハマっている人がいる。ドイツ人のアンヌ・ソフィー・シュレダー氏とフランスから来たサラ・シェラビ氏。2人は国家遺産振興院の主管で、今年4月27日から5月5日まで、ソウルの5大古宮と宗廟で行われた「2024春 宮中文化祝典」でボランティアとして活動した。

「グンイドゥンイ」という愛称のボランティアは、祝典で観客を案内する役割を果たした。ソフィとサラは昌慶宮で、それぞれノリゲ(韓服につける伝統的なアクセサリー)作り体験と伝統遊びの体験を担当した。

10日、ソウルにあるKOREA.netのオフィスで行われたインタビューで、二人は流ちょうな韓国語でボランティア活動や宮殿に対する愛情を語った。

「2024春 宮中文化祝典」が行われた昌慶宮でボランティア活動するソフィー氏=ソフィー提供

「2024春 宮中文化祝典」が行われた昌慶宮でボランティア活動するソフィー氏=ソフィー提供


つい最近まで、ソフィー氏にとって韓国は「東アジアで最も知らない国」だった。何の期待もないまま、ただ単に、知らない国へ行ってみたいという思いから、2年前に韓国を訪れた彼女は韓国に魅了されてしまった。

特に「景福宮」から特別さを感じたというソフィー氏。景福宮は、たくさんの人や車が行き来し、騒がしい都市の真ん中にある宮殿だ。そんな場所で、穏やかさを感じるなんて驚くべきことだと記者に語った。その時から、韓国の宮殿に関心を持つようになり、宮中文化祝典という行事が行われることを知った。

2年前のソフィー氏は、「私は先週の週末に、友だちに会いました」という簡単な韓国語しかできなかった。しかし、当時、優しく英語で説明してくれたグンイドゥンイのおかげで、祝典を思う存分楽しむことができた。その後、韓国語が上手に話せるようになったら必ずグンイドゥンイをやってみたいと思ったという。

昌慶宮で子どもに伝統遊びを教えるサラ氏=1日、ソウル、イ・ギョンミ撮影

昌慶宮で子どもに伝統遊びを教えるサラ氏=1日、ソウル、イ・ギョンミ撮影


歴史に興味があるサラ氏は偶然、韓国の時代劇「根の深い木」を見て、韓国に恋してしまったという。当時、フランスで良い就職先が決まっていたにも関わらず、韓国へ行くことを決意した。安定よりも、自分が望む人生を送ることが、もっと重要に思えたのだ。


「良い仕事をあきらめることは簡単ではなかったはず」と言う記者に、サラ氏は「とても簡単だった!」と即座に答えた。「韓国が好きで、早く韓国語を勉強して韓国の文化・歴史をもっと学びたかった」という。

二人にとって韓国の宮殿は、単なる観光スポットではなく、大切な思い出の空間になった。

サラ氏にとって今年の祝典は、フランスから韓国に旅行で来た妹に、自分がどれだけ宮殿が好きで愛しているかを見せる良い機会となった。グンイドゥンイとしての楽しかった活動に家族との思い出も加わった。

祝典の期間中、ソフィー氏は毎日のように、昌慶宮の隅々まで見て回った。そして、自分だけの一番良い場所を見つけることができた。「ほかのグンイドゥンイと一緒に過ごした時間、観客との時間は大切で、全部覚えている」と語った。


よく知られている景福宮に比べて、昌慶宮の観客数が少なかったことがちょっと気になったという二人。今年の秋に開催予定の祝典でもグンイドゥンイとして参加して、もっと多くの人々と宮殿を楽しみたいという。

km137426@korea.kr