韓国政府は今年、国民の暮らしの質の向上を目指し、若年雇用創出と誂え福祉の充実に取り組む。
20日、青瓦台(大統領府)で開かれた2016年政府業務報告で、保健福祉省や女性家族省など4省庁は若年雇用の創出と誂え福祉の充実に向けた様々な対策を発表した。
20日、青瓦台で開かれた政府業務報告で、保健福祉省など4省庁が、若年雇用の創出や誂え福祉の充実など、国民幸福の増進に向けに政策を発表した
保健福祉省は各種治療費の自己負担を軽減する。これにより、これまで治療費の10%を負担してきた結核患者は、今年7月から自己負担ゼロになる。そして、4大重症疾患治療のための誘導超音波や睡眠内視鏡検査、高額の抗がん剤など、保険適用外約200項目に健康保険が適用され、患者の自己負担額が10%未満と大幅に減る。インプラントと入れ歯の施術の健康保険適用も、これまでの70歳以上から今後は65歳以上に対象年齢が引き下げられる。また、看護・看病統合サービス(看護師が看病も担当)を行う医療機関を現在の112カ所から400カ所に拡大する一方、全国700の邑・面・洞住民センターに「誂え福祉専門担当チーム」を新設し、福祉サービスが必要な住民を選定する。
少子化問題解決に向けた支援も強化される。今年下半期から妊婦が帝王切開で子どもを出産する場合、分娩費用や1~3人室の入院費などが半額以下になる。従って、妊婦が帝王切開で子どもを出産すれば、診療費の自己負担率がこれまでの20%から5%に引き下げられ、分娩前後の3~5日間に1~3人室に入院する際も総費用の半分だけ自己負担となる。10月からは出産前の超音波検査に健康保険が適用され、自己負担率が30%に引き下げられる。また、妊婦のための助成金がこれまでの50万ウォンから70万ウォンに引き上げられ、保健適用外だった重症の新生児への超音波検査にも健康保険が適用される。
女性家族省は、仕事と家庭の両立支援制度の定着に向け、柔軟・在宅・遠隔勤務を施行する中小企業に、1人当たり月20~30万ウォン、最高5人まで支援し、出産休暇と育児休暇を同時に申請できる自動育児休暇制度を拡大する計画だ。父親が育児休暇を申請した場合、通常賃金の100%まで支援する休職給与期間(父の月)を現行の1カ月から3カ月に延長する。育児中の労働時間短縮使用期間もはこれまでの1年から2年になり、育児休暇の分割使用回数は2回から3回になる。
雇用労働省と教育省は、質の良い雇用創出案を打ち出した。雇用労働省は、職務・成果中心の賃金体系の改編を集中的に推進し、早ければ今月中に一般解雇と就業規則の変更の2大指針を確定・施行する一方、公務員の成果年俸制の拡大案を取りまとめる計画だ。また、昨年まで大企業中心に運営されてきた賃金ピーク制支援事業を今年から中小企業にも適用し、300人未満の中小企業770社を含む計1,150の事業所を選定して賃金ピーク制の定着を支援する。
雇用労働省は、正規社員と非正規社員の格差解消に向け、非正規雇用の政策目標と成果指標を開発して常時管理する「非正規雇用目標管理ロードマップ」を策定する。インターン雇用については、今月中にインターンの法的地位や労働条件保護方式などが盛り込まれたインターン保護ガイドラインを策定する。
教育省は、高卒者の就職拡大に向け、特性化高校(商業高校、工業高校)とマイスター高校(職業分野の人材育成を行う高校)に入学する生徒の割合を現在の約19%から2022年までに30%に、昨年46.6%だった特性化高校とマイスター高校の就職率を来年は50%に引き上げる。また、生涯学習短期大学を新設し、特性化高校及びマイスター高校の卒業者の先就職・後進学の大学定員規模を昨年の5万6,132人から今年は6万959人に増やす計画だ。
この日の業務報告で、パク・クネ(朴槿恵)大統領は、「教育、雇用、福祉、仕事と家庭の両立は国民の暮らしに直接影響を及ぼすテーマだ。新たに導入した制度が現場でしっかり履行され、国民が政策の成果を実感できるようにしてほしい」と呼びかけた。
コリアネット ユン・ソジョン記者
写真提供:青瓦台br /> arete@korea.kr
パク大統領(中央)は20日に開かれた政府業務報告で、国民の暮らしの質の向上に向けて各省庁が現場で政策をしっかり履行してほしいと呼びかけた