科学技術

2014.12.02

2014年8月、台風12号「ナクリー」で済州島は1千ミリを超える降水量を記録した。
記録的な豪雨にもかかわらず、済州地域ではほとんど被害が発生しなかった。専門家らは、済州島ならではの特異な地質構造が大きな被害を防いだと口を揃える。火山島である済州島は、土壌層に火山岩や火山灰、砂、砂利などが満遍なく分布し、雨水が地面によく染み込む。

현무암이 바닥에 깔린 성산일출봉 입구. 제주도에서 흔히 볼 수 있는 현무암은 이 섬이 화산활동으로 생성되었다는 점을 상기시킨다.

地面に玄武岩が敷かれた城山日出峰の入口。済州島でよく目にする玄武岩は、済州島が火山活動によって生成されたことを実感させる


済州島でよく目にするトルハルバン(石像)とオルレ(「家に向かう途中の細道」を意味する済州島の方言)に沿って伸びた石垣のほとんどは、火山活動によって形成された玄武岩だ。暮らしの中に溶け込んでいる玄武岩の他にも、済州島ではかつて活発だった火山活動の痕跡が随所に残っている。地層断面やオルム(小さな火山体)、クムブリ(噴火口)、溶岩洞窟などだ。

火山活動の痕跡が地層に表われている代表的な場所の一つが水月峰火山碎屑層だ。済州島南部のコサン浦口にある水月峰火山碎屑層は、海に面した地層の断面が大きく広がっている。断面は堆積地層と火山活動で積まれた地層が明確に区分されている。細かく観察すると、水中火山の噴出によって空高く飛び上がった岩片が複数の地層を突き抜けて入り込んでいるのが目につく。当時の火山活動がいかに激烈であったかを物語っている。

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제주시 고산포구의 수월봉 화산쇄설층. 수성화산분출에 의해 하늘 높이 날아간 암편들이 여러겹의 지층을 뚫고 있다.

済州市のコサン浦口にある水月峰火山碎屑層。水性火山の噴出によって空高く飛び上がった無数の岩片が複数の地層を突き抜けている



済州島の土壌に表われた火山活動の痕跡は散策道でも見られる。
済州島を代表する観光商品の一つに定着したオルレギルを歩いていると、黒や赤など様々な色の土壌を目にする。玄武岩に象徴される黒い土壌は、溶岩が急速に冷却されたことで生成され、「スコリア(Scoria)」と呼ばれる赤い土壌は、火山の爆発によって発生したガスとともに積もったものだ。オルレギルの横に見える浜辺も、火山活動の影響で白い砂浜から黒い砂浜まで様々だ。

올레길을 걷다보면 다양한 색깔의 토양과 그 위에 뿌리를 내린 식물들을 살펴 볼 수 있다.

オルレギルを歩いていると、様々な色の土壌とその上に根を下ろした植物を観察することができる


제주도의 붉은 토양 위에 핀 들꽃. 스코리아로 불리는 제주도의 붉은 토양은 화산폭발 시 발생한 가스와 함께 쌓인 결과물이다.

제주도 중문관광단지 해안에 있는 주상절리대. 육각형 기둥이 겹겹이 층을 이루고 있다. 현무암질 용암류가 급격히 식으며 발생하는 수축작용으로 만들어졌다.

済州島の中文観光団地の海岸にある柱状節理帯。六角形の柱がいくつも重なっている。玄武岩質の溶岩流が急速に冷却されることによって起こる収縮作用で形成された


火山活動が残した代表的な秘境の一つが、済州島南部の中文海岸にもある。六角形の石柱が屏風のように囲む柱状節理(Columnar Jointing)だ。柱状節理は、主に摂氏1千度の玄武岩質の溶岩流が火口から流れ、海水によって急速に冷却されることによって起こる収縮作用によって形成される。済州島の柱状節理は、柱の高さが30~40メートルで、全体の幅は約1キロにも上る巨大な規模だ。

맑은 날 바라본 한라산의 모습. 한라산은 해발 1,950m로 제주도 중앙에 위치한 휴화산이다.

快晴の日に望む漢拏山の風景。漢拏山は標高1950メートルで、済州島の中心部にそびえる休火山だ


제주도 동북쪽에 있는 성산일출봉. 해저화산의 수중폭발로 생겨난 오름이다.

済州島の北東にある城山日出峰。海底火山の水中爆発によってできた



済州島の火山活動を語る上で欠かせないのが、漢拏山、城山日出峰、溶岩洞窟だ。 漢拏山は済州島の楯状火山の中心にある峰だ。標高1950メートルの休火山である漢拏山は、朝鮮半島周辺海域で起こった第4期火山活動の代表的な産物でもある。済州島北東部にある城山日出峰は、海底火山が水中爆発によって形成された小さな火山体で、スルツェイ火山の誕生と成長過程をよく示している。溶岩洞窟系は30万年~10万年前、済州島の拒文オルムから噴出した玄武岩質溶岩流が海岸に流れて形成された。これまでに万丈窟を含む9つの洞窟が発見された。万丈窟は、総延長7416メートル、最大幅23メートル、最高高さ30メートルに上る最大規模の洞窟だ。済州島の代表的な溶岩洞窟である万丈窟は、洞窟の形態と保存状態が非常に良好で、地面と壁面に溶岩の流れを確認できる構造がよく表われている。

他にも、済州島にはそれぞれの噴火口を持つ小さな火山が368カ所もある。その中で最も大きく深いサングムブリは、高さ120メートル、深さ2キロ以上、直系は600メートルにも上り、世界唯一の平地噴火口だ。

만장굴은 총 길이 7,416m, 최대 폭 23m, 최대 높이 30m에 달하며 제주도의 용암동굴을 대표한다. 사진은 만장굴 탐방로 내부 모습.

万丈窟は、総延長7416メートル、最大幅23メートル、最高高さ30メートルで、済州島の代表的な溶岩洞窟だ。写真は万丈窟の中の探訪路の様子


만장굴 내부에서는 용암의 흐름을 보여주는 용암유선을 곳곳에서 살펴볼 수 있다.

万丈窟の中では溶岩の流れを示す構造を所々で観察できる


済州島の火山地形的特徴と保存価値を認めたユネスコは、済州島の漢拏山や万丈窟、城山日出峰、水月峰火山碎屑層など9件を2010年にユネスコ・エコパークに指定した。それから4年後の2014年9月、済州島はユネスコ・エコパーク・ネットワーク(GGN)から生物圏保存地域の再認証を取得し、牛島や飛楊島など3件も追加でエコパークに指定された。

記事:コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
arete@korea.kr