サムスン電子がソウル蚕室のロッテシネマワールドタワーに、世界初の劇場専用「シネマLED」スクリーンを設置した=サムスン電子
[ソウル=ミン・イェジ、イ・ギョンミ]
「まるでダンケルクの戦いの現場にいるようだった。漆黒の闇の中、攻撃を受け沈没する駆逐艦から兵士たちが脱出する。暗すぎて他の上映館では音で推知していた姿が、ここでは歪んだ顔の表情まで見える。海と青空が繋がっているシーンは、一般の上映館ではその違いが分からなかった一方、ここでは色が著しく鮮明で、微妙な違いまで感じられた。まるで戦争現場の真ん中にいるようだった。最近はIMAXなど大型スクリーンを探す観客が多く、長さ10.3m・高さ5・4mの大きさは小さく感じたが、最高のサウンドでカバーした。」
サムスン電子が世界初でロッテシネマワールドタワーの映画館に設置した「シネマLED」スクリーンで映画を見た感想だ。
「シネマLED」は、映写機でスクリーンに映す既存の方式から脱し、LEDスクリーンからすぐ映画が見られる。これまでの映写機は、光をスクリーンに当てて映像を映し出すため、完全な黒色を作れず、グレー色にするのが限界だったが、LEDは完全な黒色を作ることができる。スクリーン自体が発光して映画を映し出すため、映写機を使用する方式より約10倍以上(最大146fL, foot-lambert)明るくなった。4K(4096X2160)の解像度と、明暗の差を拡大することで現実感を最大化するHDR(High Dynamic Range)技術も追加した。この技術のおかげで、暗いシーンでも細かい部分まで見ることができる。
サムスン電子の映像ディスプレイ事業部キム・ヒョンソク社長は13日行われた記者会見で、「世界初で映写機のないシネマLEDを商用化した」とし、「映画の歴史に重要な変化をもたらした現場の中心にいることが誇らしい」と述べた。
LED上映館を訪れた観客の中では、既存の上映館に比べ、色が明らかに鮮やかでリアルに感じたという意見が多かった。一方、目が疲れたという意見もあった。
映写機ではできない完全な黒色の表現や優れたコントラスト比などのメリットにより、「映画館をリードする」という楽観的な見込みと、「大型テレビで映画を見ているようだ」という悲観的な予測が共存する中、「シネマLED」は発売と共に運命の道に立たされている。
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