規制のサンドボックス制度の施行で変化が起きている=アイクリックアート
[チョン・ジュリ、イ・ギョンミ]
「規制のサンドボックス」とは、新しい製品やサービスが現行規制との関係で困難である場合に、一定の条件付きで規制を一時的に停止する規制緩和策で、1月17日から施行されている。生活の向上に繋がることであるにも関わらず、規制により実現が難しかったサービスに、どのような変化があったのか調べてみた。
ソウルの代表的な繁華街である江南(カンナム)駅の近くと鐘路(チョンノ)周辺には共通点がある。深夜にはタクシーを拾うことが非常に難しい地域であることだ。0時頃になると、タクシーを拾う人々であふれているのをよく見かける。
最近、このような問題の対応策となり得る「半々タクシー」というアプリケーションが開発された。移動区間が70%同じであり、さらに同乗に同意する乗客に限って、迎車回送料金を請求して深夜時間帯(午後10時~朝4時)の相乗りを仲介する。乗客は簡単にタクシーを拾うことができ、しかも料金は一緒に乗った人と分けて支払う。また、タクシー運転手は2人から迎車料金がもらえるため、乗客とタクシー運転手、両者にとってお得なのである。
現行法によると、利益のための相乗りは違法である。ところが、科学技術情報通信部が11日にこのアプリを「規制のサンドボックス」の対象として承認したことから、今月中にソウルの一部地域で利用することができる。
ソウルにあるシェアリングキッチン「ウィ・クック(WECOOK)」=シンプルプロジェクトカンパニー
一つのキッチンを2人以上の出店者が時間帯別に使う「シェアリングキッチン」も承認を得て始まった。現行法によると、1カ所の店舗には1人の事業者登録しかできなかった。しかし、シェアリングキッチンでは、複数の出店者が厨房を共有し、様々なメニューを販売することができる。
仮想現実(VR)テーマパークも「規制のサンドボックス」の恩恵を受けた事例である。5日にソウルと釜山(プサン)でオープンした「コンVRテーマパーク」には、これまでは複雑な手続きによってテーマパーク内の設置が容易ではなかったVRモーションシミュレーターがある。テーマパークの関係者は、「規制のサンドボックスで、VR機器とコンテンツ認証にかかる時間とコストが省けた」と説明する。
規制のサンドボックス制度のスタートから6カ月。現在までに81のビジネスが審議を通過した。フィンテック、交通、保健医療など様々な分野の新事業が恩恵を受けている。各官庁は、これからも企業の特許に関する問題を迅速に解決し、早期にリリースできるよう、技術や認証の基準を用意するなど、制度を補完する予定だと明かした。
5日、ソウルにオープンした「コンVRテーマパーク」=モーションディバイス
etoilejr@korea.kr