科学技術

2024.09.02

疾病管理庁が1日、新型コロナウイルスmRNAワクチンの免疫反応における調節過程を究明したと発表した。写真は、新型コロナウイルス感染症の動向および対応策に関する会議を主宰するチ・ヨンミ疾病管理庁長=8月28日、ソウル、疾病管理庁

疾病管理庁が1日、新型コロナウイルスmRNAワクチンの免疫反応における調節過程を究明したと発表した。写真は、新型コロナウイルス感染症の動向および対応策に関する会議を主宰するチ・ヨンミ疾病管理庁長=8月28日、ソウル、疾病管理庁


[ユン・ソジョン]

疾病管理庁が1日、新型コロナウイルス感染症のmRNAワクチン接種部位における免疫反応の調節過程を究明したと発表した。

疾病管理庁の国立保健研究院は、mRNAワクチンの接種部位における初期免疫ブースター効果を誘導するメカニズムを発見した。研究結果は、国際学術誌「ネイチャーコミュニケーションズ(Nature Communications)」に27日、掲載された。

今回の研究では、mRNAワクチンが初期に免疫ブースター効果をどのように発生させるのかを明らかにした。国立保健研究院の公共ワクチン開発支援センター・感染症ワクチン研究科と韓国科学技術院のパク・ジョンウン教授が率いる研究チームの共同研究で行われた。実験用マウスに新型コロナウイルス感染症のmRNAワクチンを投与した後、注射部位の筋肉組織から細胞を分離し分析を行った。

mRNAのワクチン技術は、コロナ禍をきっかけに短時間で世界的に価値が認められた。感染症への対応だけでなく、がんワクチンのような治療としても開発が行われている。しかし、疾病管理庁は「より安全かつ効果的なワクチンの開発のためには、mRNAワクチンの初期免疫におけるメカニズムについて深い理解が必要だ」と説明した。

mRNAワクチンは、mRNA分子と脂質ナノ粒子(lipid nano particle)で構成される。研究チームは、注射部位では脂質ナノ粒子によって炎症性サイトカインとケモカイン遺伝子の発現が増加し、初期免疫ブースター効果が誘導されることを確認した。注入されたmRNA分子は、インターフェロンベータ遺伝子発現を通じて、接種部位およびリンパ節の移動性樹状細胞(migratory dendritic cells)の活性化を補助することで、ワクチンによる細胞性免疫反応を増進させることを究明した。

今回の研究について疾病管理庁は、「mRNA分子と脂質ナノ粒子自体によって活性化される初期免疫反応の経路および作用メカニズムに対するインサイトにつながるという点で意味がある」と明らかにした。

疾病管理本部のチ・ヨンミ庁長は「mRNAワクチンに対する研究を基に、多様な活用および効果的な次世代ワクチン技術の使用化に向けて尽力する」と述べた。

arete@korea.kr