科学技術

2025.04.02

北極海氷に停泊した砕氷研究船アラオン号と海氷の特性を測定する極地研究所の研究チームの様子=2024年、極地研究所

北極海氷に停泊した砕氷研究船アラオン号と海氷の特性を測定する極地研究所の研究チームの様子=2024年、極地研究所


[パク・ヘリ]

海洋水産部が、「北極海の大西洋化(Atlantification)現象」が太平洋と接している西北極海まで広がっていることを世界で初めて確認したと30日、明らかにした。

大西洋化は、気候変化の影響により、大西洋の暖かい海水が北極海で拡散する現象を指す。大西洋化が進むと、北極海の水温と塩分が高くなる。熱が表層まで到達すると、海氷が溶けてしまう恐れもある。

海洋水産部によると、極地研究所の研究チームは、米国アラスカ大学などと共に2017年から7年間、西北極海の東シベリア海に韓国型の長期係留観測システムを運用してきた。そして、大西洋化現象が強まっていることを確認した。

大西洋化の影響により、温度と塩分が高くなった海水は、相対的に密度が高くなるため、北極海の中層部に位置することになる。研究チームが西北極海で観測した温度と塩分が高くなった海水層の上段の高さは、2000年代初めに比べて約90mほど上昇した。

大西洋化が北極海の反対側まで広まっていることを確認し、西北極海で年単位の長期観測を行い、大西洋化の垂直的な変化を提示したのは今回が初めて。

研究チームは、大西洋化で発生する熱が栄養塩を表層に運び、海洋生態系にも影響を及ぼしていると明らかにした。栄養塩は植物プランクトンや海氷微細藻類など、表層に生息する海洋一次生産者の餌である。大西洋化により、表層に栄養塩が豊富になったことで、海洋表層生物の繁殖や海洋生産力の向上につながった。

海洋水産部のカン・ドヒョン長官は「西北極海の変化に関する研究は、現場への接近が難しく、これまで先行研究も不足していた。韓国が有する独自の技術力で詳しく分析し、北極が直面している海氷の減少や海洋生態系の変化を示す」とし、「今後、気候変化への対応に向けて極地研究を持続していく」と話した。

hrhr@korea.kr