世界的な絶滅危惧種のヒガシシナアジサシが4月に南海の無人島で発見された。写真は、ヒガシシナアジサシが卵を抱いている様子
絶滅危惧種や保護が必要な野生生物・夏鳥などが韓半島の南部地域で相次ぎ発見されている。なかには世界的にも希少とされるヒガシシナアジサシも含まれている。
ヘアジェルでセットしたかのような黒い頭に黄色のくちばしが特徴的なヒガシシナアジサシは、世界的にも個体数が100万頭を下回る希少種。国際自然保護連合(IUCN)で絶滅の危機に瀕していると分類される鳥類である。1930年代に中国・台湾・フィリピン一帯と2000年に中国の馬祖島で発見された以外には種の生態について明らかになった情報もほとんどなく、神秘の鳥と呼ばれる。
そのヒガシシナアジサシ5羽が南海に棲息していることが確認された。韓国環境部傘下の国立生態院は今年4月に全羅南道(チョンラナムド)のある無人島でヒガシシナアジサシを初めて発見し、1組が繁殖をして子育てをしているところを確認した。
環境部は中国・浙江省の舟山島、五峙山島と福建省の馬祖島に次いで世界で4番目に確認されたヒガシシナアジサシの繁殖地を特定島しょに指定して保護すると共に、絶滅の恐れがある野生生物種の指定を検討すると述べた。
閑麗海上国立公園の南海地域で発見された絶滅危惧種のヤイロチョウ(上)とアカショウビン。アカショウビンは今年初めて南海で観察された
一方、南海(ナムヘ)の閑麗(ハンリョ)海上国立公園でもアカショウビン、ヤイロチョウなど世界的に絶滅の危機に瀕している夏鳥が繁殖しているのが観察された。アカショウビンは今年6月に南海で初めて発見された。
夏鳥のアカショウビンは赤く長い口が特徴。主に山間低地のきれいな渓谷や森林にのみ生息しているため、森の健康度を判断するバロメーターにもなる。中国の南東部・台湾・日本と韓国の南部でまれに見られる。
神秘的な青と赤が混ざり合う美しい羽をもつヤイロチョウもIUCNが保護が必要だと分類した夏鳥。ヤイロチョウは2012年に南海で初めて発見されて以来毎年ここを訪れ、2012年には12羽だったのが昨年は20羽が観察されるなど、到来する個体数も徐々に増えている。
国立公園管理公団は、閑麗海上国立公園の南海地域が国立公園として厳しく管理されているため最適の夏鳥生息地になるとしている。閑麗海上国立公園事務所では様々な希少鳥類の繁殖が確認されたことを受け、生息地を保護するために国立公園特別保護区域の指定拡大と管理強化など、多方面の生息地保全事業を推進することを明らかにした。
他にも蟾津江(ソムジンガン)河口でもホウロクシギ,ワシなどの絶滅危惧種が発見された。また淡水と海水が混ざり合うことから独特な生態系が形成され、ウグイ・ボラ・イトヨなどの多様な魚類が生息していることも確認された。
コリアネット チャン・ヨジョン
写真:環境部
翻訳:イム・ユジン
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