社会

2020.10.06

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韓国心理学会コロナ19特別対策委員会の陸聖弼・委員長=9月14日、ソウル、キム・シュンジュ撮影


[ソウル=キム・ヨンドク、キム・ウニョン]

新型コロナウイルス感染症の影響で、外出自粛や在宅ワークなど日常生活で大きな変化が起きている。多くの人々は、外出自粛による活動量の低下から不安を感じたり、仕事が手につかないという悩みを抱えている。

龍門相談心理大学大学院の教授であり、韓国心理学会コロナ19特別対策委員会(3月設立)の委員長である陸聖弼(ユク・セイピル)氏に、コロナ鬱の予兆をチェックする方法や、対策について聞いた。陸氏は、高麗大学の心理学科を卒業し、同大学大学院の臨床心理学の博士課程を卒業した心理相談専門家である。


陸氏は、これらの症状を新型コロナのストレスからくる「コロナ鬱」「コロナ不調」と定義し、積極的に解決策を見つけるべきであるとアドバイスした。

また、コロナ鬱の予兆をチェックし、悪化しないうちにセルフケアすることが大切であると強調。

-「コロナ鬱」の代表的な症状とは。

不安を感じたり、仕事に集中できなかったり、睡眠不足で体のリズムが乱れるなどの症状がある。人間関係でイライラしたり、悩んだりすることもある。


-セルフチェックができるのか。
できる。項目の点数ごとに症状の重さが分かる。この結果に基づき、専門家のアドバイスを受ければ良い。


-点数が高い場合には、病院(専門家含み)に行くべきか。
必ずしも必要ではない。人間関係でストレスがなければ大丈夫。ストレスがあっても90%以上は回復できる。だが、周囲から「以前と変わった」と言われているなら、専門家のアドバイスが必要だと考えられる。


-「コロナ鬱」の予防策とは。

朝起きてすぐに、新型コロナに関するニュースを見る人が多いが、それはやめた方が良い。今は、一日中、新型コロナのニュースであふれているので、朝ぐらいは否定的な情報を避けることも重要である。


私は家族と過ごす時間を増やした。家で運動したり、映画を見たりすることも方法の一つ。韓国政府は、感染拡大防止策として「社会的距離の確保」措置をとっている。それを受け、家で過ごす時間が増えているため、相手に配慮することが何より重要である。


-否定的な報道を回避することは、実際に効果があるのか。
もちろんある。2001年9月11日にアメリカ同時多発テロ事件が起き、米国政府は否定的な情報を発信するより、テロ事件の対応と防止策を広く知らせた。これらの措置で、米国人の心的外傷後ストレス障害(PTSD)を予防した。


-新型コロナの影響が長引いている。心理防疫(メンタルケア)としては。

新たな社会環境「ニューノーマル」の時代が訪れた。会議や授業が対面から非対面(オンライン)の形式に変わるなど、これまでの習慣やプロセスが変わっている。ここから全て始まる。


-新型コロナに備えて。

全世界の人々にとって、初めての経験である「新型コロナ」。全世界の専門家や研究陣などが解決策を探りつつ、活用に向けて奮闘している。全世界が力を合わせているので、きっと乗り越えられる。自ら日常生活での防疫に集中し、自分の身を自分で守ることが重要である。自分のために新型コロナを乗り越えるよう、努力しなければならない。


コロナ鬱チェック表

下記の症状が続いているか。

項目

なし

2~6日

7~12日

ほぼ毎日

落ち込んだり、希望が持てなくなった。

0

1

2

3

以前と比べて何事にも興味や関心が持てなくなった。

0

1

2

3

良く眠れない、または寝すぎる。

0

1

2

3

食欲がない、または食べ過ぎる。

0

1

2

3

以前に比べて、言葉や動きが遅くなった。または、そわそわしてじっとしていられない。

0

1

2

3

肉体的にも精神的にも疲れ切っている。

0

1

2

3

自分は間違っていると思ったり、失敗した、家族を失望させたと思っている。

0

1

2

3

新聞を読んだり、テレビを見たりといった、日常的なことに集中できない。

0

1

2

3

生きているより死んだ方がいいと、または自殺しようと思った。

0

1

2

3

合計点数

0~4点

5~9点

10~19点

20点以上

鬱状態

鬱状態とはいえない

軽度

軽度~中度

重度

資料:大韓不安医学会


専門家相談:疾病管理庁(1339、日本語可能)
無料相談:韓国心理学会(070-5067-2619、2819、英語のみ)