社会

2024.10.02

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ベトナムVTV1の NGUYEN THI PHUONG THANH記者(左)と共同通信の光山正一記者=イ・ギョンミ撮影

ベトナムVTV1の NGUYEN THI PHUONG THANH記者(左)と共同通信の光山正一記者=イ・ギョンミ撮影


[ソウル=イ・ギョンミ]

持続可能な発展のため、世界は2015年9月、米ニューヨークで開かれた国連サミットで「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択した。

2030年までの目標達成に向けて各国が取り組んでいる中、韓国も炭素中立やESG(環境・社会・ガバナンスを考慮した投資活動や経営・事業活動)など、様々な取り組みを行っている。

持続可能な発展に向けた韓国の取り組みを世界の人々はどう見ているのだろうか。

KOREA.netは26日、ソウル市内で、韓国の「持続可能な成長」「地域社会の価値」を取材するために訪韓した共同通信の光山正一記者、ベトナムVTV1のNGUYEN THI PHUONG THANH記者にインタビューを行った。

光山氏とTHANH氏は22日から28日まで、韓国食品産業クラスター、ラムサール高敞(コチャン)干潟センター、未来廃棄物拠点収集センターなどを訪れた。

全北特別自治道・益山市にある韓国食品産業クラスター振興院の企業支援施設である「食品パッケージングセンターを取材する海外メディアの報道陣=韓国食品産業クラスター振興院

全北特別自治道・益山市にある韓国食品産業クラスター振興院の企業支援施設である「食品パッケージングセンターを取材する海外メディアの報道陣=韓国食品産業クラスター振興院


持続可能な成長に向けた努力が最も感じられた場所として、両氏とも韓国食品産業クラスターを挙げた。ここは韓国初の食品産業団地で、政府が食品産業のマーケティングや輸出を支援している。また、食品関連の企業や研究所などが入居しており、革新的な研究と生産に取り組み、韓国食品産業の発展に貢献している。

光山氏は、「政府主導で食品産業を発展させようとする強い意志を感じた」とし、「小さな企業から大企業まで全て参加でき、包括的な支援システムが構築されているのが印象的だった」と語った。特に、「K-POPといった韓国文化とも紐づいて売り出そうとしている点は、韓国じゃないとできない」と強調した。

THANH記者はクラスター内の「食品パッケージングセンター」に注目した。包装紙の強度を上げることで使用量を最小限におさえたり、スチロール箱の代わりに紙で保冷ボックスを作り、リサイクルできるようにしたことなど、環境に配慮した韓国のパッケージ方式を高く評価した。

ユネスコの世界自然遺産に登録された干潟を訪れ、説明を聞く海外メディアの報道陣=高敞郡

ユネスコの世界自然遺産に登録された干潟を訪れ、説明を聞く海外メディアの報道陣=高敞郡


持続可能な成長における地域社会の意味や役割についても話し合った。

インタビューの前日に訪れた全北・高敞の干潟で、地域社会の価値について考えたというTHANH氏。漁業に従事する住民から町の子どもまで、町社会を構成する全員が干潟の保存に貢献している姿を見て驚いたという。

光山氏も「干潟の保存や洗浄作業を住民たちが始めたと聞いた」とし、地域社会の自主的な努力が欠かせないと強調した。持続可能な成長のためには、政府が指示するトップダウンより、地元の住民が主導して参加するボトムアップ方式が重要だということだ。

こういう面において高敞の干潟は、地域の価値を見つけ、必要だと思ったことを地域社会が自主的に行う、一つの成功例だと光山氏は考えている。「自主性・自立性のある地域は、他の問題が起きたとしても解決できる能力、レジリエンスの力が強い」と説明した。

取材に臨む光山正一記者(左)、THANH記者=文化体育観光部

取材に臨む光山正一記者(左)、THANH記者=文化体育観光部


THANH氏はベトナムに戻り、「韓国は技術強国であるだけに、韓国の持続可能な成長に向けた開発や成果を集中的に報道する予定」と話した。また、取材とは別に、清渓川とソウル広場の「ソウル野外図書館」へ強い興味を示した。都心と自然が調和する空間で本を読むことは、きっと市民のメンタルヘルスの向上に役立つだろうとうらやましがっていた。

今回の訪韓で、今まで知らなかった韓国を知り、記者としての幅が広がったという光山氏は、「日本で非常に関心の高い韓国食品の輸出やバッテリーのリサイクルについて記事にする予定」だという。

km137426@korea.kr