6月25日、水原総合運動場で行われたコリアネットインタビューで韓国生活について語る石田雅俊選手=キム・シュンジュ撮影
[水原=イ・ギョンミ、キム・ヨンドク]
6月25日、京畿道(キョンギド)の水原(スウォン)市にある総合運動場の前。一人の男性がジップアップフーディーにショートパンツ姿で、電動キックボードに乗って登場した。
その人は、今年から韓国プロサッカー2部(Kリーグ2)の水原FCでプレーする元Jリーガーの石田雅俊(登録名・マサ)。クラブハウスに入ってきた石田選手に、まわりのチームメイトが「お、まさ、どうした?」「インタビューするの?すごい」と親しげに声をかけた。
水原FCは10日の時点で、6勝3敗を記録し、Kリーグ2で首位をキープしている。FWの石田は、8試合で4ゴールを決め、チームに貢献している。スピードを生かしたドリブルと正確なシュートを武器としている石田は、5月27日の試合で2ゴールを決め、4ラウンドで最優秀選手に選ばれた。
U-18日本代表歴を持つ石田は、高校卒業後、京都サンガFC・SC相模原・アスルクラロ沼津などでプレーした。2014年から2018年まで、5年間で約70の試合に出場したが、4ゴールにとどまった。
そんな時、Kリーグ2の安山(アンサン)グリナースが石田に手を差し出したのだ。韓国デビューした2019年、石田は24試合で9ゴールを決め、日本では発揮できなかった潜在能力を開花させた。特に去年の8月、あるきっかけで人生が変わり、その後の活躍に支えられ、今年は1部への昇格を目指す水原FCに入団した。
Kリーグについて全く知らない状態の中、韓国でデビューした石田は、入団当時を振り返り、「普段の練習だと思って、あまり気負わないようにした」とし、「だから自分の力が発揮できたと思う」と話した。
5月27日に行われた試合でゴールに向け走る石田雅俊選手=水原FC
Kリーグ生活2年目となる石田は、Kリーグの長所として訓練インフラを挙げた。クラブハウスが大きく、良い練習環境が整っているため、他外国人選手にもKリーグを推薦したいと話した。
韓国選手の優秀なところについては「フィジカル」と答えた。「体の強さ、パワーがある」とし、「日本人選手に比べ身長が高くてヘディングに有利」と話した。ただ、「Kリーグの方がちょっとだけ攻撃が遅い気がする」と話した。
韓国語の先生や、ユーチューブで韓国語を勉強したという石田は、韓国語でコミュニケーションをとる上で大きな問題はないという。しかし、どうしても困った時には、チームメイトで在日朝鮮人のアン・ビョンジュン選手に助けてもらうそうだ。
韓国と日本は似ているところが多く、生活に特に大した問題はないが、新型コロナウイルスの感染拡大で1月以来、家族に会えなかったため、少し寂しそうに見えた石田。韓国では、誰もが親切に接してくれるのでいいと話した。ところが、友達がいなくて孤独を感じる部分もあるとも話した。
「韓国生活を一言で表すと?」と聞くと、石田からは「我慢」という答えが出た。徹底した自己管理も、チームの昇格に向け、他国で孤独に耐えながら努力するのも彼にとっては全部「我慢」。
サッカーは自分にとって「趣味」「暇つぶし」と表現した石田。今後の彼の活躍に注目したい。
km137426@korea.kr