経済

2016.03.24

モンズオン、ファーライ、オモン、クインラップ…。韓国企業がベトナムに発電所を建設したか、その予定のある地域だ。
急速な経済発展によるベトナムの電力難を解決するために韓国の建設会社が乗り出している。

今年の1月、ハノイから東北に250㎞のところにあるクアンニン省カムファ市モンズオン(Mong Duong)地域で現代建設が建設中だった「モンズオン第1石炭火力発電所」が完工した。この発電所の年間電力生産量は65億kWhで、510万人が1年使えるだけの量にあたる。

현대건설이 올 1월 완공한 베트남의 몽즈엉 석탄화력발전소. 연간 발전량이 65억kWh에 달한다.

現代建設が今年の1月に完工させたベトナム・モンズオンの石炭火力発電所。年間発電量は65億kWhに上る



現代建設が2011年に受注したこの事業は、慢性的な電力難を解決するためにベトナム政府が支援した国策事業だ。現代建設は昨年12月に2号基の工事を終え、今年の1月から発電所の試運転を開始している。

この発電所の最大の特徴は循環流動層(Circulating Fluidized Bed Combustion、CFBC)ボイラーをベトナムに初めて導入したという点だ。この技術は5千~6千kcalの熱量を発する高品質の有煙炭ではなく、熱量の低い低品質の有煙炭を使っても熱効率を上げることができる。ベトナム北部は無煙炭の埋蔵量が豊富だが熱量が低いため、現在の石炭火力発電所の主流となっている微粉炭ボイラー燃料として使いにくい。一方で、循環流動層ボイラーは、低品質の煙炭を5~20㎜程度に細かく砕いて使用し、燃え切っていない石炭を再度完全燃焼させる方式を採用、熱効率を大きく高めることができる。また、空気と石灰石を同時に注入・循環燃焼させ窒素酸化物や抗酸化物などの汚染物質の排出も削減できる環境に優しい発電技術だ。  

현대건설이 몽즈엉 석탄화력발전소에 도입한 순환유동층보일러 기술은 저질 연탄을 사용해도 열효율을 높일 수 있고 오염물질 배출이 적은 친환경 발전기술이다.

現代建設がモンズオン石炭火力発電所に導入した循環流動層ボイラー技術は低質な煙炭を使用しても熱効率を高めることができ、汚染物質の排出も少ないエコ発電技術だ。



モンズオン発電所に先立ち、現代建設は1998年にファーライ火力発電所を完工させている。ファーライ発電所建設の際、現代建設は単純施工のみ担当だった反面、モンズオン発電所は設計から購買、施行にいたるまで事業の全過程を担当した。

モンズオンには昨年10月に斗山中工業が建設したモンズオンⅡ石炭火力発電所もある。この発電所は、ポスコエネルギーと米国のAES(AES Corporaiton)、中国投資有限責任公司(CIC)が今後25年間共同で運営する。設備容量が1,120MW規模で、窒素酸化物処理装置(SCR)、排気ガス脱硫設備(FGD)などのエコ設備が備えられている。

ポスコはベトナムのゲアン省クインラップ(Guynh Lap)で石炭火力発電所の建設を推進中だ。このためにポスコは21日、ゲアン省の地方政府とクインラップⅡ石炭火力発電事業の推進協力を骨組みとする了解覚書(MOU)を締結した。この事業はハノイから南に270kmにあるゲアン省の東南経済特区に1,200MW(600MW級2基)規模の石炭火力発電所を建設するというもの。民間で建設して一定期間運営した後に政府に寄付するBOT方式で運営される計画だ。   

대림건설이 건설하고 있는 베트남의 오몽 석탄화력발전소 조감도. 올 10월 준공 예정이다.

大林建設が建設中のベトナム・オモンの石炭火力発電所の予想図。今年の10月に竣工の予定



ベトナム南東部のメコンデルタ地域、カントー省オモン(O Mon)では大林産業がガスオイル火力発電所を建てている。2012年8月にこの事業を受注した大林は、日本の双日株式会社とのコンソシアムを組んで建設に取り組んでいる。

この事業は総発電容量330MW級のガスおよびオイル火力発電所1基の建設を目標に、今年10月の竣工を目指している。大林は細かい設計と発電所の中核設備であるボイラーや主機器を含むパワーブロックの供給・施行・試運転を担当している。

コリアネット ユン・ソジョン記者
翻訳:イ・ジンヒョン
arete@korea.kr