経済

2024.08.02

世界銀行が「中所得国の罠」を克服した代表事例として韓国を挙げた。写真は、仁川・松島国際都市の全景=仁川観光公社

世界銀行が「中所得国の罠」を克服した代表事例として韓国を挙げた。写真は、仁川・松島国際都市の全景=仁川観光公社


[エスラ・モハンマッド]

世界銀行が「中所得国の罠」を克服した代表事例として韓国を挙げた。

世界銀行は1日(現地時間)、「中所得国の罠」というテーマで、2024年世界開発報告を発表した。中所得国の罠とは、開発途上国が中所得にまで経済発展した後、成長が鈍化し、高所得国と呼ばれる水準には届かなくなる傾向を指す。
報告書は「1960年代の韓国の1人当りの国民所得は、1200ドル以下だったが、昨年は約3万3000ドルを記録した」とし、「韓国は『成長におけるスーパースター』だ。中所得国のすべての政策立案者にとって、韓国は、必ず勉強するべき必読書である」と説明した。

世界銀行は「中所得国の罠」の克服に向けて、韓国の経済発展史を見習うべきだと評価した。また、投資(Investment)や技術導入(Infusion)、革新(Innovation)などの「3I戦略」が必要だと強調した。

世界銀行は、韓国が金融市場の開放や外国資本の誘致などを通して、インフラ投資を拡大したと説明した。また、海外技術の導入や研究開発(R&D)、教育などに積極的な投資を行い、生産性を高めたと説明した。

韓国では、1997年のアジア通貨危機を契機に、金融や財閥の改革が行われ、市場談合や支配力の集中という問題を緩和するなど、競争市場が造成されたと説明した。さらに、ベンチャー企業の育成など、ピンチをチャンスに変えたと付け加えた。

報告書は、韓国の成功について、1950年代から行われた義務教育や教育分野への予算投入などが、労働市場への女性の参加率を高めたと分析した。また、「韓国が25年で実現した成果を、中所得国が行おうとしても50年はかかる。また、実現できたとしても奇跡的なことである」と評価した。

ess8@korea.kr