東大門デザインプラザ(DDP)は今、多くの人でごった返している。多くの人が足を運ぶのは、澗松文化展第2部「葆華閣展」だ。韓国美術の傑作の数々を一目で鑑賞できるまたとない機会だからである。
澗松文化展第2部「葆華閣展」で「恵園」申潤福の「美人図」を鑑賞する観覧客(写真:チョン・ハン記者)
申潤福の「美人図」 114×45.5cm(写真提供:澗松美術文化財団)
「輝く宝物を集めた所」を意味する展示タイトル「葆華閣」は、チョン・ヒョンピル(全鎣弼:1906~1962)が建てた韓国最初の近代私立美術館で、当時、澗松の師匠だった呉世昌(1864~1953)によって名づけられた。1966年に「澗松美術館」に改称されて現在に至っている。
これまで澗松美術館は、春と秋の年2回に限って展示を開いてきた。展示期間中、城北洞の同美術館には、各地から詰め掛けた多くの人で長蛇の列ができたものだ。ところが、シン・ユンボク(申潤福)の「美人図」は、美術の教科書でしか見ることができなかった。この作品が一般に公開されたのは2008年と2011年だけで、今回は同美術館設立から76年にして初めて外に運び出された。
今年3月に展示第1部が開かれ、77日間で12万人の観覧客が来場した。第1部は「澗松」全鎣弼先生の文化財収集の歩みと生涯が紹介され、第2部は三国時代から19世紀までの韓国の美術史を特徴づける各時代の最も重要な名作が公開されている。
第2部で展示される主な作品は、申潤福(1758~?)の「美人図」をはじめ「恵園伝神帖」30点やキム・ホンド(金弘道:1745~1806?)の「黄猫弄蝶図」、チャン・スンオプ(張承業:1843~1897)の「三人問年図」、チョン・ソン(鄭歚:1667~1759)の「楓岳内山総覧」といった絵画類だ。他にも、「癸未銘金銅三尊仏立像」やキム・ジョンヒ(金正喜)の「茗禅」といった仏像や書芸、磁器類、古書など、国宝級の作品計114点が紹介される。『訓民正音解例本』や「青磁象嵌雲鶴紋梅甁」など第1部で紹介された文化財の一部も展示される。
展示作品の中でも一番人気は申潤福の「美人図」だ。韓国の伝統的な美人像とされる小さな丸顔にはっきりとした目鼻立ち、細い眉毛と長いまつ毛、語りそうで語らない恥ずかしそうに閉じた唇が神秘的な魅力を漂わせている。
金弘道の「黄猫弄蝶図」。黄色い猫が蝶を捕まえようとしている様子が描かれている(写真提供:澗松美術文化財団)
「謙齋」鄭歚の「楓岳内山総覧」。金剛山一万二千峰の姿が描かれている(写真提供:澗松美術文化財団)
同展示は9月28日まで、DDP内のデザイン博物館で開かれる。観覧料は、一般8千ウォン、小中高生団体4千ウォン。
展示に関する詳細は、同美術館のホームページをご覧ください。
http://kansong.org/exhibit/exhibit_ing.asp
DDPに関する詳細は、ホーム‐ページをご覧ください。
http://www.ddp.or.kr/MA010001/getInitPage.do
全鎣弼(1906~1962)は、「文化財はその国のアイデンティティと精神的価値を物語る」と信じ、日本による植民統治期に日本に流出する危機にあった韓国の文化財を守り、1938年に葆華閣(現在の澗松美術館)を建てた。写真は、「澗松文化展」第2部で「澗松」全鎣弼に関する説明に耳を傾ける観覧客たち(写真:チョン・ハン記者)
癸未銘金銅三尊仏立像。6世紀半ばの三国時代の仏像様式の流れと特徴を把握するうえで重要な作品と評価されている(写真:チョン・ハン記者)
コリアネット ユン・ソジョン記者
arete@korea.kr