元気がなく、ぐったりしている牛に食べさせるといいものは?。
正解はタコ。
朝鮮後期の文人、丁若銓(チョン・ヤクチョン、1758-1816)は1814年、数百種の海の生き物を細かく分類した韓国最古の魚類学書『玆山魚譜』に、「倒れた牛にタコを食べさせたところ、元気に立ち上がった」と記した。朝鮮の代表的な実学者である丁若鏞(チョン・ヤギョン、1762-1836)の兄でもある丁若銓は、「タコは肉が白く、味は甘く、スタミナをつける」と記録している。
タコは代表的な高タンパク、低脂肪、低コレステロール、低カロリー食品とされる。また、タコには高麗人参600グラムに匹敵する量のタウリンが含まれており、肝臓の解毒作用を助け、疲労回復に良く、代謝を活発にする。朝鮮時代に許浚(ホ・ジュン、1539-1615)が残した代表的な医書『東医宝鑑』にも、「ナクチェと呼ばれるこの生物は、性質がおとなしく、味が甘く、毒がない」と記されている。
韓国でタコは主に西海岸で多く獲れ、なかでも秋に獲れるタコは最高級品だ。種類は大きくふつうのタコとセバルナクチ(足が細いタコ)に区分される。その名の通り、セバルナクチは足が細く、味がまろやかなため、主にスープや刺し身として楽しむ。一方、足が太いふつうのタコは、炒め物や焼き物で食べることが多い。特に、ナクチボックム(タコ辛炒め)は、柔らかくてこしのあるタコの食感と辛味が調和し、グルメとして人気が高い。

ナクチボックムは、肉付きのよいタコを食べやすい大きさに切り、いろいろな野菜と一緒にコチュジャンと唐辛子粉で辛く味付けして楽しむグルメ料理で、おつまみとしても人気だ
*** ナクチボックム
ナクチボックムの主な材料であるタコ、青・赤唐辛子、ニンニク、ネギ、タマネギ
** 材料及び分量
タコ450g(2¼匹)、塩12g(大さじ1)、小麦粉14g(大さじ2)
タマネギ100g(⅔個)、青唐辛子25g(1½個)、赤唐辛子20g(1個)、サラダ油13g(大さじ1)、ごま油4g(小さじ1)
たれ:醤油6g(小さじ1)、コチュジャン19g(大さじ1)、唐辛子粉14g(大さじ2)、砂糖4g(小さじ1)、ねぎのみじん切り14g(大さじ1)、ニンニクのみじん切り8g(½大さじ)、生姜のみじん切り2g(小さじ½)、白胡椒0.3g(小さじ⅛)、ごま油8g(小さじ2)

タコを下ごしらえし、食べやすい大きさに切る
** 食材の下準備
1. タコは頭を裏返し、内蔵と目を取り除き、塩と小麦粉を入れて揉んだ後、きれいに洗う。
2. 頭は幅1.5cm程度に切り、足は長さ6cmぐらいに切る。
3. 玉ねぎは下ごしらえしてきれいに洗い、幅1cmぐらいに千切りにする。
4. 青・赤唐辛子は洗い、長さ2cm、厚さ0.3cm程度に斜めに切る。
5. たれを作る。
** 作り方
1. フライパンを熱してサラダ油をひき、玉ねぎを入れて強火で1分程度炒め、タコとたれを入れて1分ほどさらに炒める。
2. 青・赤唐辛子とごま油を入れて30秒ほど炒める。

タコと野菜を炒めるときにニンジンやその他野菜を追加することもできる。このとき強火で素早く炒めると色がきれいになり、水が出ない
記事:コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:韓国伝統飲食研究所
資料:美しい韓国料理100選
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