文化

2016.03.24

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国立舞踊団とフランスの国立サイヨー劇場による共同舞踊創作劇『時間の歳』は、「伝統と現代の出会い」をテーマに過去と現在、未来をつなぐ一味違う舞台を披露する


韓国の伝統舞踊がフランスの芸術を身にまとった。
韓・仏国交130周年を記念する「韓国内フランスの年」の開幕作『時間の歳』が23日、国立劇場へオルム劇場の舞台で初演が行われた。この作品は「伝統と現代の出会い」をテーマに過去と現在、現実と超現実を行き来する3章からなる舞台となっている。
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『時間の歳』第1章で現代服を着た踊り手たちが、スクリーンに映る伝統衣装を着て踊る踊り手と共に音楽に合わせて様々な動作を見せている


第1章「時間の歳」は活気に満ちた雰囲気で始まった。色とりどりの現代の日常服を来た踊り手たちが子供のように広げた両手を振りながら「私が見えないの?」「Look at me!」と繰り返しながら速いテンポのエレクトロニック・ミュージックに合わせて遊ぶようにダンスを踊る。彼らは舞台の後ろの方に設置された大型スクリーンに「閑良舞(ハンニャンム)」「扇の舞(プチェチュム)」「サルプリ」などを踊る伝統服を着た踊り手が登場すると、今度は映像の伝統舞踊の動作を真似て踊った。踊り手らのダンスの上に異なるダンスが重なり、芸術の上に芸術が重なり、新しい創作へとつながる課程を見ることができた。

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第2章「夢」で踊り手たちが人類に対する思索をダンスで表現している


第2章「夢」は、モーツァルトとラフマニノフの音楽が流れる厳粛な雰囲気の中で始まった。ゴミの山、高層ビルの中に映る現代人、溶けていく氷河など今日の人間が直面する諸問題が映像で流れる。踊り手たちはこの映像を背景に、ゴミ袋・目隠し・花をモチーフにした装飾などを使って人類の思索を振り付けで表現する。

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韓国の伝統打楽器とフランスのバレエ曲『ボレロ』が『アリラン』の旋律の上で調和をなす中、踊り手たちがボレロを踊っている


生きる喜びとリズムの欲求を表現した第3章「ボレロ」では、フランスの作曲家モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel、1875~1937)のバレエ曲『ボレロ(Bolero)』を再解釈した音楽が使われた。特に、プクや杖鼓(チャンゴ)などの韓国の伝統打楽器の演奏とボレロの音楽が調和をなし『アリラン』の旋律が奏でられていた。踊り手たちはパンソリのはやしことば「オルシグ」などを唱えながら2人1組で踊り、やがて全体がひとつになって盛大な舞台を繰り広げる。

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『時間の歳』の振付を担当したフランスの国立サイヨー劇場の常任振付家ジョゼ・モンタルヴォは「踊り手たちの持つ伝統に対する記憶を示すことが何よりも重要だった」と語る


作品の演出を務めたフランスの国立サイヨー劇場の常任振付家ジョゼ・モンタルヴォ(José Montalvo)氏は「韓国舞踊の歴史の深さをよく感じることができた。韓国の伝統と国立舞踊団の持つ個性や特徴、独創性をそのまま保ちながら新しい何かを創り出すのは挑戦的な課題だった」と語った。

『時間の歳』は27日まで国立劇場で上演される。今年の6月には、パリで開かれる『フランス内韓国の年』の閉幕作として上演される予定だ。

コリアネット イ・ハナ記者
翻訳:イ・ジンヒョン
写真:国立劇場
hlee10@korea.kr

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『時間の歳』のポスター