文化

2016.05.17

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19日に開幕する「密陽アリラン祭り」の期間中には、朝鮮時代の楼閣建築である嶺南楼で密陽アリラン・珍島アリラン・旌善アリランなど韓国を代表するアリランを観賞できる公演が行われる



慶尚南道(キョンサンナムド)密陽市(ミリャンし)のアリラン、民俗遊び(伝統遊戯)、郷土料理など五感で楽しめる祭りが開催される。

19日に開幕する今年の「密陽アリラン祭り」は、1957年の「密陽総合文化祭」から始まり57年間続いている密陽市の代表的な郷土祭り。密陽の3大精神「忠義」「知徳」「貞純」を象徴する火種の奉送で4日間にわたる祭りの始まりを知らせ、密陽の夜を明らく照らす。

壬辰倭乱(文禄・慶長の役)の際に国を救った四溟堂・惟政(サミョンダン・ユジョン)の「忠義精神」の火種は、壬辰倭乱当時の義兵長として大きな功を立てた惟政をはじめ休静(ヒュジョン)、騎虚堂(キホダン)など忠烈の士を称えるために建てられた表忠書院(ピョチュンソウォン)で、朝鮮時代に性理学の権威者である佔畢斎・金宗直(チョムピルチョ・キム・ジョンジク)先生の「知徳精神」の火種は、彼の学問と徳行を称えるために建てられた礼林書院で採火される。また、朝鮮時代明宗(ミョンジョン)の頃に死をもって純潔を守った密陽府首長の娘、阿娘娘子(アランナンジャ、本名:ユン・ドンオク)の「貞純精神」の火種は、その貞節を称え恨みを晴らすために祭祀を行っていた阿娘閣で採火される。

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「密陽アリラン祭り」では素手でアユを捕まえてその場で料理して食べるイベントも設けられている



祭りの期間中は「大韓民国の魂、密陽(Soul of Korea, Miryang)」というスローガンの下、22日まで密陽の伝統を楽しめる多彩なイベントが準備されている。

密陽のランドマークである朝鮮時代の楼閣建築、嶺南楼(ヨンナムル)と阿娘閣を囲んで流れる密陽川の景観を背景に、密陽アリラン・珍島(チンド)アリラン・旌善(チョンソン)アリランなど韓国を代表するアリランが調和を成す「国民大統合アリラン公演」が開かれる。

豊作を祈り、村の団結と親睦を図るために行われた地域の民族遊び体験や密陽アリラン歌謡祭、アリランフュージョン諧謔劇「爆笑サト伝」の公演、無形文化財の「祝祭ハンマダン」の公演、展示、花火大会など様々な見所がある。また、密陽河では素手でアユを捕まえる体験イベントが開催され、捕った魚をその場で料理して食べられる。その他にも密陽の郷土料理が味わえるイベントも設けられる。

祭りのクライマックスを飾るのは密陽出身の民族的英雄たちの物語をまとめたマルチメディアショー「密陽河オデッセイ」。密陽市民500人余りが参加して作ったこの作品は、阿娘娘子と四溟堂・惟政の物語をはじめ、1942年5月に40万の日本軍を相手に数千の朝鮮義勇軍を率いて戦った金元鳳(キム・ウォンボン)や尹世胄(ユン・セジュ)烈士など祖国の独立のために献身した密陽人のプライドが込められた大叙事詩だ。

コリアネット ソン・ジエ記者
写真:密陽市
翻訳:イ・ジンヒョン
jiae5853@korea.kr