身体が縮こまる寒い季節には温かい汁物が恋しくなる。
こんな時期に思い浮かぶのは香ばしい煮干しだしのスープにいろんな野菜がたっぷり入った温かいスジェビ(韓国すいとん)。作り方も簡単で手軽に一食済ませることができるので人気のメニューだ。
それにスジェビは、韓国の中高年にとっては思い出の料理でもある。児童詩作家のシン・ナンヒは自身の作品『スジェビ』で「煮干しだしスープの香り/白波みたいにうねる食卓を/家族みんなでぐるりと囲んで/ふわふわのスジェビをふうふうして食べたら/思いがけず良いことがある時みたいに/胸の奥がこそばゆくなる」と表現している。
スジェビは小麦粉で練った生地を適当な大きさにちぎって入れ、いろんな野菜と一緒に煮込んで食べる料理。作り方が簡単で温かいスープとモチモチした具の食感が特徴
スジェビは煮干しだしに小麦粉で練った生地を適当な大きさにちぎって入れ、ジャガイモやズッキーニなどと一緒に煮込んだ料理で、好みに合わせ牛肉だしや各種野菜を加えても良い。韓国伝統飲食研究所によると「スジェビ」という名称は生地を「手」で「摺る」ことから「スジョビ(
手摺+イで名詞化)」と呼び始めたのが転じてスジェビになったという。小麦粉が貴重な食材だった過去の時代にスジェビは祝宴のときに食べられる特別な料理だった。今では日常的で庶民的な食べ物として親しまれており、ピンデトックと並んで雨の日に食べたくなるメニューとして人気。
**材料と分量小麦粉 250g(2½カップ)、塩 2g(小さじ½)、水 135g(大さじ9)
煮干し 30g
水 2㎏(10カップ)
ズッキーニ 130g、ジャガイモ 150g、ネギ 20g、塩 4g(小さじ1)
合わせ調味料:薄口醤油 72g(大さじ4)、唐辛子粉 2.2g(小さじ1)、刻みネギ 14g(大さじ1)、刻みニンニク 11g(小さじ2)、ゴマ 4g(小さじ2)、コショウ 0.3g(小さじ⅛)
スジェビの主材料の小麦粉、煮干し、ズッキーニ、ジャガイモ、ネギ、塩、各種調味料
**材料の下準備1. 小麦粉に塩と水を加えて練り上げた生地を濡れた綿布に包んで30分寝かせる。
2. 煮干しは頭とワタを取る。
3. ズッキーニはきれいに洗って縦に2等分し厚さ0.5cmほどの半月型に切る。ジャガイモはきれいに洗って縦3cm・横4cm・厚さ0.7cmほどの大きさに切っておく。
4. ネギは根を落としてきれいに洗い、長さ3cm・厚さ0.2cm程度に斜め切りする。
5. 合わせ調味料をつくる。
ズッキーニとジャガイモは洗って皮を剝いたら一口大の半月型に切る。ズッキーニが太い場合はいちょう切りにしても良い
** 作り方1. 予熱した鍋に煮干しを入れ中火で2分ほど炒めたら水を入れて強火に9分ほどかける。沸騰したらさらに10分中火にかけた後ザルで濾す。
2. 1でできた煮干しだしのスープを強火に8分ほどかけたら、ジャガイモを入れて3分煮込み、スジェビの生地を縦3cm・横4cm・厚さ0.2cm大にちぎって入れさらに5分ほど煮込む。
3. スジェビの生地に火が通って浮かび上がったらズッキーニを入れて3分ほど煮込みネギと塩を入れてもうひと煮立ちさせる。
4. 合わせ調味料と一緒に食べる。
煮干しだしのスープを強火に8分ほどかけたらジャガイモを入れて3分煮込む。スジェビの生地を縦3cm・横4cm・厚さ0.2cm大に薄くちぎって入れさらに5分ほど煮込む
編集:コリアネット ユン・ソジョン記者
写真:韓国伝統飲食研究所
資料:美しい韓国料理100選
翻訳:イ・スミン
arete@korea.kr