1日に平均7百万人以上が利用するソウルの地下鉄。ソウル交通公社が利用客の利便性を高め、独特な文化体験を提供するために作ったユニークなスペースが注目を集めている。
ソウル地下鉄5号線の踏十里駅に設けられているメトロファーム =18日、ソウル、キム・シュンジュ撮影
[ソウル=オ・ヒョヌ、イ・ギョンミ]
#ミヨンさんは去年6月から、ソウル地下鉄5号線の踏十里(タプシムニ)駅の5番出口にあるメトロファームに寄ってサラダを購入している。帰り道に買える上に、何よりも農薬を使わずに栽培されているため、健康にもいいと思ったからだ。
踏十里駅の人工ファームは、地下鉄の遊休スペースを活用し、都市農業について市民に知らせるために設けられた。
光・温度・湿度・二酸化炭素などが人工的に制御された施設の中で栽培され、収穫した野菜はメトロファームのすぐそばに設置されている自動販売機で販売される。
何もなくて寂しげに感じられた空間が、たくさんの植物によって明るくなったという市民からの良い反応があり、ソウル交通公社は、乙支路(ウルチロ)3街駅や忠正路(チュンジョンノ)駅などにもメトロファームやサラダ自販機の設置を検討している。
ソウル地下鉄6号線の孔徳駅に設置されているAR作品=18日、ソウル、キム・シュンジュ撮影
#拡張現実(AR)に関心の高い小学生の子供を持つホヨンさんは、6号線の孔徳(コンドク)駅を訪れた。駅のプラットフォームにある案内に従ってスクリーンドアの隣にある写真を「U+AR」というアプリケーションを使って携帯端末をかざすと、写真の中にいる女性が踊り始めた。タッチすることで、女性の大きさや左右方向も変えることができる。
ソウル地下鉄6号線の孔徳駅では2日、88点の芸術作品をAR技術で見ることのできるギャラリーがオープンした。
5G利用者でなくても、作品が見られる方法がある。一部の作品は、「グーグルレンズ」アプリを利用したり、ギャラリー内に配置されている機器を使ったりすることで鑑賞できる。U+5Gギャラリーは、来年2月末まで運営される。
ソウル地下鉄3号線の忠武路駅にある忠武路映像センター「お!ジェミドン」でDVDを選ぶ市民=忠武路映像センター「お!ジェミドン」
#会社員のジフンさんは、独立映画マニアだ。週に2~3回は、仕事が終わった後に地下鉄3号線の忠武路(チュンムロ)駅にある忠武路映像センター「お!ジェミドン」を訪問する。ここで映画に関する本やDVDを見る。
1960年代から1980年代まで、韓国映画制作の中心地だった忠武路は、今でも韓国映画を象徴する場所として知られる。ソウル市は、忠武路の象徴を活かしながら、地下鉄駅内の遊休スペースを活用するため、「お!ジェミドン」を2004年に開館した。
図書館、映画鑑賞室、編集室などがある「お!ジェミドン」は、毎週月曜日から土曜日まで、午前11時から夜8時までオープンしている。
この他にも、様々な公共美術作品が鑑賞できる6号線の緑莎坪(ノッサピョン)駅、科学理論を分かりやすく説明することで子どもたちに人気を博している上月谷(サンウォルゴク)駅など、独特なサービスを提供する駅が多い。
hyunw54@korea.kr