[イ・ジヘ]
文化遺産をアレンジした博物館グッズが人気を集めている。一つの文化トレンドとして定着しつつある。
博物館グッズは、ミュッズとも呼ばれている。ミュージアムとグッズの合成語だ。
伝統的なものを現代的かつ独創的に再解釈したインテリア小物や生活雑貨などがある。韓国の歴史と文化を、日常の中で大切にするという意味が込められている。
国立博物館文化財団によると、昨年、博物館グッズの売上げは、前年比42%増の212億8400万ウォンを記録した。2020年には37億ウォン台だった売り上げが、たったの4年で約5倍になった。
KOREA.netが、昨年の「売り上げランキングトップ5」に入った博物館グッズを紹介する。
写真は、半跏思惟像のミニチュア(左)と6世紀後半に製作された半跏思惟像=国立博物館文化財団、国家遺産庁
半跏思惟像のミニチュア
半跏思惟像は、片足をもう一方の太ももに乗せて座り、指を頬に当てて物思いにふける姿の仏像だ。細く半分ほど目を閉じた繊細な表情が印象的だ。三国時代である6世紀後半に製作された。ソウル市・龍山(ヨンサン)区・国立中央博物館の2階で見ることができる。半跏思惟像の哲学的な意味が伝わってくるミニチュアは、インテリアとしても人気がある。
写真は、色が変わる杯のセット(左)と金弘道の「平安感謝饗宴図」=国立博物館文化財団、国立中央博物館
色が変わる杯のセット
冷たい飲み物を入れると、ソンビの顔が赤くなる杯。朝鮮時代の文人と士人の風流を現代的に再解釈した。モチーフにしたのは、朝鮮時代の画家である金弘道(キム・ホンド)の作品「平安監事饗宴図」に出てくる人物。「平安監事饗宴図」は、平安監司が大同江(テドンガン)で行った宴会を描いた作品である。温度によって杯の色が変わり、よっばらいの顔が赤くなるのが面白い。原作は国立中央博物館が所蔵している。
写真は、青磁の杯セット(左)と高麗青磁の杯=国立博物館文化財団、国立中央博物館
青磁の杯
高麗(コリョ)青磁は、高麗時代(918~1392年)作られたほのかな青色の磁器。1200~1300度で焼き、窯の中の酸素を調節することがポイントだ。酸素を減らすと深い青色が、増やすと赤褐色や薄い茶色が出る。高麗の陶芸家たちは、2回焼いて不純物をなくし、釉薬を厚く塗って特有の翡色を出した。
この青磁の杯セットは、高麗青磁の優雅さを現代的に再現した。
写真は、百済金銅大香炉のミニチュア(左)と、金銅大香炉の本物=国立博物館文化財団、国家遺産庁
百済(ペクチェ)金銅大香炉のミニチュア
1993年、扶余(プヨ)の寺跡で発掘された百済金銅大香炉。1500年間、形が保たれてきたのは、泥の中に完全に埋もれていたからだ。仏教と道教が融合した百済文化の遺物である。
如意宝珠を抱いた鳳凰で飾られた蓋、火を象徴する蓮の花と道教を象徴する神仙が刻まれた胴体、龍が蓮のつぼみを支えている台座。とても精巧な彫刻が印象的だ。本物は、忠清南(チュンチョンナム)道・扶余(プヨ)郡にある国立扶余博物館に展示されている。
金銅大香炉のミニチュアは、伝統と芸術を同時に味わえるとして人気を集めている。
写真は、石窟庵のランプ(左)と石窟庵=国立博物館文化財団、国家遺産庁
石窟庵(ソックラム)のランプ
統一新羅(シンラ)の時代の代表的な仏教文化遺産である石窟庵は、人工的に築造された洞窟寺院だ。幾何学的な構造と精巧な彫刻が調和を成す傑作である。仏が悟りを開いた瞬間を表現しており、1995年にユネスコ世界文化遺産として登録された。
現代的に再解釈した石窟庵のランプは、柔らかい光で空間を満たし、神秘的な雰囲気を放つ。
博物館グッズの購入先
国立中央博物館、国立民俗博物館、国立慶州(キョンジュ)博物館、国立大邱(テグ)博物館、国立晋州(チンジュ)博物館、国立全州(チョンジュ)博物館、国立益山(イクサン)博物館、国立光州(クァンジュ)博物館、国立済州(チェジュ)博物館で販売されている。オンラインショップ(韓国:
muds.or.kr / 海外:
muds.kr)からも購入できる。
jihlee08@korea.kr