「シュルレアリスムと韓国近代美術展示」の記者懇談会で、キム・ジョンナムの作品を鑑賞する参加者=16日、ソウル・中区、シャルル・オデゥアン
[ソウル=シャルル・オデゥアン]
シュルレアリスム(超現実主義)の画家たちは目に見える出来事ではなく、「現実」を「超えた」夢と現実が混ざり合った世界を表現しようとした。
第1次世界大戦後、人生における重要な問題を解決しようとする革命的な運動としてフランスで始まった。1920年代末、世界的に広まったが、韓国では植民地と戦争、分断によって展開されなかった。
しかし、韓国にも一生をかけてシュルレアリスムを探求した作家たちがいる。17日、国立現代美術館・徳寿宮(トクスグン)館にて、展示「シュルレアリスムと韓国近代美術」が始まった。独自的な考え方を表現し、内面について描いた6人の作家を紹介する。
キム・ジョンナムの作品=国立現代美術館
1914年、慶尚南道(キョンサンナムド)の山清(サンチョン)で生まれたキム・ジョンナムは、日本に帰化して「真鍋英雄」という名前で作品を描いた。
植物や動物、昆虫などを主に描いたが、植物の間に奇異な生命体が隠れていたり、鳥と人間、植物と人間が結合した不思議な生命体がよく登場する。
キム・ジョンナムは、在日朝鮮人に対する差別を避けるために、死の直前に2人の息子に韓国人であることを告げた。キム・ジョンナムの作品には、アイデンティティを巡る混乱、不安感、葛藤などが絵が画れている。
キム・オクギュの作品=シャルル·オデゥアン
キム·オクギュの出身地は、北朝鮮の咸鏡南道(ハムギョンナムド)・咸興(ハムフン)。1·4後退の時、一人で南下し、韓国へ来た。
キム・オクギュの作品には、非現実的な空間に奇異な生命体や、長く歪曲されていたり、鳥の形状と結合した人間などが隠れている。夢と現実、生と死の中間状態から来る不安がにじみ出ている。
400点あまりの作品を残したが、ほとんどが署名やタイトルがない。個展も死後、初めて開かれた。
(左)キム・ジョンハの作品とパク・グァンホの作品=国立現代美術館
キム・ジョンハとパク・グァンホは、韓国の近現代美術で重要視された「伝統の現代化」や「民族のアイデンティティ」に縛られなかった。その代わり、個人の欲望やエロチックな幻想を描いた。
キム・ジョンハは、暗い室内を背景に非現実的に、輝かしいほど真っ白な肌の女性のヌードを描いた。パク・グァンホは、抑圧された欲望や物神崇拝的な欲望に関する連作を描いた。
キム・ヨンファンの作品=シャルル・オデゥアン
キム・ヨンファンとシン・ヨンホンは、20世紀に戦争と分断を経験した韓国の現実について新しく描いた。
キム・ヨンファンは雄牛、馬、鳥などをモチーフにし、人間と自然が共存する愛の世界を描いた。シン・ヨンホンは、非人間化が起きた都市の姿を、人間の形状と結合した奇異なイメージを描いた。
展示は、50人余りのシュルレアリスムの作家が描いた230点余りの作品について紹介する。期間は7月6日まで。入場料は2000ウォンで、徳寿宮の入場料1000ウォンは別途で払わなければならない。
国立現代美術館・徳寿宮館の全景=シャルル・オデゥアン
国立現代美術館・徳寿宮館は1998年、徳寿宮・石造殿・西館に開館した。徳寿宮をはじめ、近くにある世宗(セジョン)文化会館、貞洞(チョンドン)公園、ソウル市立美術館、南大門(ナンデム)市場などの観光地と見て回ることができる。アクセスは、ソウル地下鉄1·2号線市庁(シチョン)駅の1番出口がおススメだ。
caudouin@korea.kr