韓国の著名な美術史学者のユ・ホンジュン氏は、自分の著書の中で「知っている分だけ見える」と述べている。有名な場所も、いつもと同じ日常も、どれだけ知っているか、どんな視点で見るかによって、見える風景は違ってくるからだ。
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ピアノの鍵盤に似ている岩=イ・ジュンヨン撮影
南海(ナメ)・尚州(サンジュ)のビョクリョン港から船で20分ほど行くと、良阿里(ヤンアリ)の柱状節理(ちゅうじょうせつり)が見える。大きな屛風のように屹立(きつりつ)し、多角形の柱がずらりと並ぶのが特徴。「ピアノの鍵盤に似ている」と船長の崔吉東(チェ・ギルドン)さんは言う。
亀の洞窟と竜王の岩=イ・ジュンヨン撮影
米CNNが選定した「訪れるべき韓国のおすすめスポット50選」の一つである、南面(ナムミョン)の「タレンイ村」。そこには住民らの「悲しさ」と「苦しさ」が共存する。近くに海があるが、周囲が絶壁という生活環境のせいか、船は見当たらない。田んぼも造ることができず、住民らは斜面に石垣を積んで108段を超える棚田を作り上げた。「強靭な忍耐力と努力の結晶だ」と同郡の文化観光解説士を務める孫惠蓮(ソン・へリョン)さんは言う。
サッカッベミ=イ・ジュンヨン撮影
防潮魚付林=南海観光文化財団
トンジェ=南海観光文化財団
ある人が村の木を勝手に切り、村がひどい目に遭った。住民らは木を切らないと約束し、それを破った人には罰金が科せられた。
■ Hidden Charm 4 ┃ソ島(スェソム)
鄭旺時さん(左)と妻の曺惠珣さん=イ・ジュンヨン撮影
約30年間、都市生活を送った鄭旺時(チョン・ワンシ)さんと妻の曺惠珣(チョ・ヘスン)さん。田舎暮らしに憧れて南海のソ島(スェソム)に移り住み、夫婦でカフェとペンションを営んでいる。最初は済州島に移り住もうと思っていたが、南海の風景に魅了されたという。ソ島は内陸部とのアクセスも良い。曺さんは「時間が経つにつれ、景色が変わることも見どころの一つだ」とし、「私は太陽の昇る少し前のほの暗い時が一番好きだ」とコメントした。
ソ島(スェソム)=イ・ジュンヨン撮影
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