名誉記者団

2021.01.12

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[茨城=登久美子(日本)]
[写真=NEW公式ホームページ]

あれから4年、Kゾンビが進化して帰ってきた。
高速鉄道KTXを舞台に謎のウイルスで凶暴化した人々と闘うアクション映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』が公開されたのは2016年。その4年後の世界を描いた続編として2021年元旦に『新感染半島 ファイナル・ステージ』が公開されました。

続編、とはいっても前作を観ていない人も楽しめる内容です。
以前のパンデミック時、香港に亡命して無事だった元軍人のジョンソク(カン・ドンウォン)。自分の家族が逃げる途中にゾンビに襲われてしまうという不幸があり、自責の念にさいなまれながら廃人のように送る毎日。そんなジョンソクの元に、ある日妙な仕事が舞い込みます。ソウルの橋にあるトラックに現金2000万ドルがあるのでトラックごと持ってきて欲しい、成功報酬は持ってきた半額、というもの。決心したジョンソクは4年ぶりにゾンビで溢れるソウルの街に乗り込むが、待ち受けていたのはゾンビの恐怖、いや、それだけではなかった、というストーリー。




韓国のゾンビをテーマにした映画やドラマは本当に怖い。その怖さが面白さを引き立てていて、「怖いけど観たい、観たいけどやはり怖い」という逆説的な興味を誘います。ゾンビ達の大群が生きた人間を見つけるとこぞって走ってくる。しかもこちらを真っ直ぐに見つめながら前傾姿勢で全力疾走。この全力疾走には絶望感しかありません。

昨年7月に出版されたコリアネットの記事「Kゾンビが世界を襲った! 世界を魅了したKゾンビ」によりますと、ゾンビを演じる俳優にはゾンビ専門の振付師がつき、歩き方や表情、人を攻撃する際の様子、ゾンビになる瞬間の動きなどを3~4ヶ月かけて徹底的に訓練するとか。怖い理由も納得です。(関連記事:https://japanese.korea.net/NewsFocus/Culture/view?articleId=188471



また前作にはなかったシーンも大量投入されました。それはカーチェイス。ゾンビたちが大量にさまようソウルの街を車で必死に脱出しようとするシーンがありますが、ゾンビが襲ってくるそして避けようとハンドルを切るシフトレバーを素早く動かすなど、緩急のつけ方が実に見事。およそ20分の間、瞬きをする時間も惜しいくらいに目が離せなくなります。追いかけてくる敵に銃を向けるだけだと普通のカーチェイスなのですが、周りのものやゾンビの特性を上手く利用しながら敵を次々になぎ倒していきます。これが豪快で痛快。場面もスピードに乗って素早く切り替わっていくので、車がドリフトをした瞬間にあたかも風を感じられそうです。

もう一つ忘れてはいけないのが家族愛。これは前作からのDNAをしっかり引き継いでいます。前作では父と娘、今作では母と姉妹が困難にどう立ち向かっていくかが描かれています。もし私たちが絶望的な状況に陥ったとき愛する家族と自分はどうありたいのか、いざという時にどう決断するのか、そして何も恐れずに家族を守ることができるのか。ゾンビのストーリーに家族愛を盛り込むことで、上映時間の116分たっぷりと堪能することができました。

『新感染半島 ファイナル・ステージ』は2020年第73回カンヌ国際映画の正式選定作品となり、昨年10月に行われた釜山国際映画祭では公開作品に選ばれました。また、日本での公開初日である1月1日から4日間連続で洋画ランキング1位を獲得するなどまさに快進撃の連続。今年はKゾンビの大ヒットドラマシリーズ『キングダム・アシン伝』がチョン・ジヒョン主演という豪華な布陣で公開される予定です。2021年のKゾンビからも目が離せません。

もし街を普通に歩いていてゾンビに遭遇してしまったら、そしてそのゾンビが自分を真っ直ぐに見つめながら前傾姿勢で全力疾走してきたら、あなたは丸腰で逃げ切れる自信がありますか。


*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

eykim86@korea.kr