名誉記者団

2021.11.08

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[大阪=大野瑠華(日本)]
[写真=Netflix]


話題の韓国ドラマ「イカゲーム」。お金に困った人たちが多額の賞金に目がくらみ、脱落すれば即死というサバイバルゲームに参加するという物語です。


9月17日にNetflixで配信が始まり、1カ月で1億4200万世帯において視聴され、米国を含む世界94カ国で視聴数がトップになりました。「ブリジャートン家」(8200万世帯)の記録を塗り替え、Netflix史上最高の記録を更新しました。


動画配信サ―ビス・ランキング集計サイトのFlixPatrolによると、イカゲームは「今日のTOP10」のテレビシリーズ部門で1位を、44日間連続でキープしています。




なぜ、イカゲームが世界でこんなに人気なのか、その秘密や理由について探ってみました。
女性自身によると、ライターの西森路代さんは「デスゲームの参加者たちが一度日常生活に戻るというところにイカゲームならではの新しさがありました」とし、「なぜ登場人物が過酷なデスゲームに参加しなくてはならなかったのかという背景を描くことで、現実の格差社会と地続きに感じられました」と話しました。




私も自分なりに「イカゲーム」が人気な理由について考えてみました。

一つ目は、伏線回収が見事な点かと思います。伏線とはドラマなどで後の展開に必要な事柄をそれとなく見せておくことで、伏線回収はその展開とヒントがピタッと合うことだと言えます。例えば、主要な登場人物の死に方が、それぞれが過去にした過ちが自分に返ってくるといったような形です。そのようなヒントが絶妙に設定されているため初めて見た時には、ドキドキが体験できます。また二度目以降には、違う観点から楽しめることも魅力ではないかと思います。




二つ目は、ゲームにおける懐かしさと新しさの共存ではないかと思います。ゲームは全部で6つ。「ムクゲの花が咲きました(だるまさんが転んだ)」、「タルゴナ(カルメ焼き)型抜き」、「綱引き」、「ビー玉遊び」、「飛び石渡り」、「イカゲーム」です。韓国人なら誰もが幼いころに体験したことがある遊びで、いくつかは日本でも馴染みのあるものです。


そういった懐かしさもありつつ、そこで大人が一生懸命になっている姿や脱落するとすぐに殺されるという非現実的なストーリーがものすごい化学反応を引き起こし人々を魅了したのではないかと感じました。


文化が異なる欧米圏などでは、ゲーム自体が斬新に見えたであろうし、それだけでも耳目を惹きつけることができたのだと思います。SNSにおいても「ムクゲの花が咲きました」を楽しむ様子や、「タルゴナ型抜き」にチャレンジする様子が投稿され、派生トレンドも生まれています。




三つ目は、緻密に練られたストーリーやセットなどのビジュアルが功を奏したと考えます。セットが豪華で一度見ると忘れないシーンがたくさんありました。役者も実力派揃いです。

人気の影響力も凄まじいです。ソウルのオリンピック公園や日本の渋谷に「ムクゲの花が咲きました」の鬼でおなじみ「ヨンヒちゃん」の像が飾られていて、またもや話題となっています。去るハロウィーンの仮装として、2021年最も人気があったのもイカゲームではないでしょうか。参加者が着ていたジャージや、運営者側が着ているピンクの作業着と仮面、ヨンヒちゃんなどのコスチュームに身を包んだアイドルから一般人まで様々な写真がSNSを彩っていました。

私も一度最初から最後まですべて見ましたが、秘密やネタバレを知った今、それを確認しながらもう一度見てみるのも面白いのではないかと思っています。また、実際にタルゴナを作って型抜きをしてみたいなという思いもあります。いつかドラマを楽しんだ人たちで集まってリアルイカゲームができたら楽しそうだなと思うので、一日でも早く安心して遊べる日が来てほしいと願ってやみません。


*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

eykim86@korea.kr