チ・ソヨン選手(22)。彼女はイングランド女子サッカーリーグ(WSL)に進出した最初の韓国人選手だ。
2月5日にチェルシー・レディースFCと2年契約を結んだチ選手は、ミッドフィルダーとしてイングランドのピッチに立ち、4月~10月に行われるイングランド女子サッカーリーグの一部リーグ(8チーム)で2014年シーズンの優勝をかけて戦う。
昨年7月にソウル・ワールドカップスタジアムで行われた2013年東アジアカップ(EAFF)で、女子サッカー韓国代表として出場したチ選手(右から2人目)が、中国のディフェンダーをドリブルでかわしている(写真提供:連合ニュース)
2月11日、イングランドのサッカー場に「チ(Ji)」という選手名が幾度となく響き渡った。イングランドのレディング・トレーニングセンターで行われたレディングWFCとの親善試合で、背番号「10」のチェルシー・レディースFCのユニフォームを着てピッチを駆け巡るチ選手に送られた声援だ。同日の親善試合は、彼女のイングランドでのデビュー戦であり、新しいシーズンを目前に控えたテストマッチだった。
チ選手は、同日の試合で安定したディフェンスだけでなく、鋭く強いキックで攻守に大活躍したが、チームは4対3で惜敗した。
彼女は試合後、「毎試合攻撃ポイント(得点+アシスト)を上げることを目標にしている。相手選手のフィジカルの強さに驚いた。これからもっとトレーニングして活躍したい」と感想を話した。
シーズン開幕を前に準備に余念がないチ選手にインタビューし、イングランドでの生活と彼女のサッカーへの情熱について聞いた。
* チ・ソヨン選手とのインタビュー
2月5日にチェルシー・レディースFCと2年契約を結び、これからミッドフィルダーとして活躍するチ選手(写真提供:インスポ・コリア)
- 2月5日にチェルシー・レディースFCと正式に契約した。今の感想は。 まず、素晴らしいチームの一員になれてとても光栄に思う。これまで支援してくださった球団オーナーやエマ監督、コーチングスタッフらに感謝したい。チームに貢献できるよう全力を尽くしたい。
- イングランドでの暮らしは。
トレーニングと英語学習に没頭している。
- チェルシー・レディースFCに入団して以前と大きく変わったことは。
韓国人選手として活躍しなければという大きなプレッシャーを感じている。
2月5日に開かれたチェルシー・レディースFCとの入団式で、チ選手(右)がエマ・ヘイズ監督と「SO YUN(ソヨン)」の登録名と背番号「10」が刻まれたユニフォームを掲げてポーズをとっている(写真提供:インスポ・コリア)
- チェルシー・レディースFCのエマ・ヘイズ監督が自らラブコールを送ったと聞いた。エマ監督との縁はいつから。
2011年のトヨタヴィッツカップでの活躍が印象に残ったようだ。それがきっかけとなってこうしてチャンスが巡ってきた。
- サッカーを始めたきっかけは
8歳のときにサッカーに関心を持つようになった。両親は私がサッカーをしたいと話したら反対したが、私のサッカーの才能を見抜いた知人に説得されて許してくれた。それでサッカーを始めることができた。
- スポーツ選手として辛い時期が多かったと思う。一番辛かったことは。また、それを乗り越えられたのはなぜ。
女子サッカーに対する無関心と偏見が一番辛かった。それでもあきらめずに続けることができたのは、サッカーに対する情熱があったからだ。
- サッカー選手になって良かったと思う瞬間は。
韓国の国旗を胸につけて韓国代表として試合に臨むときが、「サッカー選手になって良かった」と思う瞬間だ。韓国代表として試合に出場するのは誇らしいことだ。
- もし、サッカー選手になっていなかったら何をしていたと思うか。
そのことについて深く考えたことがある。でも、やはりサッカーをしていると思う。
- トレーニング以外の時間は何をしているのか。また、体調管理は。
トレーニング以外の時間は、英語学習をしているか韓国料理をしている。体系的な食事管理とウェートトレーニングで体調を管理することに重点を置いている。
- 体格の大きな外国人選手たちに対抗するための武器は。
高速ドリブルと素早い判断かな(笑)。
- サッカーだけに打ち込んできたため、したくてもできなかったことがあると思う。一番してみたいことは。
平凡な20代の若い女性たちのようにおしゃれがしてみたい。
- 外国人選手たちとのコミュニケーションも大きな問題だと思うが、言葉の壁はどうしているのか。
一番親しく、宿舎で同室のエマ・ウィルヘルムソン選手が何かと協力してくれている。
- 海外進出を目指して懸命に頑張っている韓国人選手たちにアドバイスがあれば。
十分な能力を持った韓国人選手はたくさんいる。彼女たちにもいつか必ずチャンスが来ると思う。韓国女子サッカーの存在感を高めるために全力を尽くしたい。
- チ選手のロールモデルは。
私自身が韓国女子サッカー選手のロールモデルになることが目標だ。
- チ選手が目指す選手とは。また、選手としてぜひ一度叶えてみたいことは。
韓国女子サッカーの発展のために努力する立派な選手になりたい。また、ワールドカップで優勝したい。
- チ選手にとってサッカーとは。
生まれ変わってもやはりサッカーがしたい。
コリアネット ソン・ジエ記者
jiae5853@korea.kr