高校時代に読んだマンガがきっかけで韓国との縁が始まったというドイツの大学生と話をした。ドイツのテューリンゲン州からきた交換留学生のリサ・シャイディック(LisaScheidig、梨花女子大学)さんは、1年間の韓国留学を終え来月帰国する。昨年コリアネット名誉記者団に志望。名誉記者として文化体験、イベント参加など活発に活動した彼女の韓国語は一層流暢になっている。外国人特有のアクセントがほとんど消え思いのまま多様な表現を駆使する様子にネイティブの我々記者団は驚かされた。彼女のこの1年間の韓国生活について振り返える。
24日、コリアネット名誉記者として活躍中のリサ・シャイディック(LisaScheidig、独、大学生)さんが1年間の韓国生活について語っている
交換留学生として1年間滞在した韓国生活はどうだったか。 やりたいことができて良かったと思う。KBSトークショー「アンニョンハセヨ(こんにちは)」の収録現場をスタジオで見たいと思っていたが、機会が得られてよかった。ドイツには面白いバラエティー番組があまりないので韓国のバラエティーをよく見ていた。ドイツでは著作権がないとオンラインアクセスが自動的に遮断される。KBSWorldは字幕もあるしアクセス権限もあるので韓国のバラエティー番組を見ることができた。韓国でできた友達がそうたくさんはいるわけではないが、何か困ったとき助けてくれる友達はかなりいる。
名誉記者として活動した感想は? 楽しかったけれど忙しくてあまり記事が書けなかったのでそれが残念。ドイツで書きたい記事がある。かつて出稼ぎでドイツに来た韓国人たちは、キムチづくりの材料がないのでドイツ式のキムチを作っていた。自分の手でドイツ式キムチをつくって紹介記事を書きたい。
韓国について知ったきっかけは? 中学時代に歴史の授業で韓国について聞いたことはあったが、先生が一言触れただけだった。高校の時に日本の漫画「イタズラなキス」を見て韓国に感心をもつようになった。
韓国学を専攻することになったきっかけは? 何を専攻したらいいか思い悩んでいたとき、自分が幸せになれることをするよう友達からアドバイスを受け、自分が好きな韓国と関連のある韓国学を選択した。言語が好きだし、韓国の童話もたくさん読んだ。
具体的に韓国学のどんな分野について学ぶのか。 私の専攻は韓国学全般。ドイツでは政治、歴史といった科目を勉強した。韓国で交換留学生として受講できる科目がそうたくさんあるわけではない。ドイツで学んだことのない美術のような科目を受講した。
韓国学を勉強する上で難点があるとすれば? 言語の問題があるが、特に漢字が難しい。例えば「世界化」という単語のように「化」という漢字が使われる場合、「世界」という言葉を知っていても、「化」を知らないと「世界化」という単語の全体的な意味がわかりづらい。こういう韓国語の単語がたくさんある。辞書もあまり役に立たない。だから中国人の友達や漢字をよく知っている韓国人の友達に助けてもらっている。
後々韓国関連の仕事につきたいと思うのか。最終的なゴールは? 翻訳家あるいは韓国語の先生になりたい。
韓国で生活しながら困ったことは?サイズの合う靴が見つからず苦労した。その上、もっていた靴も相当数が雨の時期に傷んでしまった。今履いているのが最後の靴なのだが踵がすり減っている。住居問題もあって、5回も引っ越しをした。銀行サービスも一番不便だった点の1つ。今冠岳区(クァナクく)に住んでいるが、ドイツ銀行との互換サービスを提供する銀行がないのでお金を下ろすために西大門区(ソデムンく)まで行かなければならない。ATMの場合もグローバルサービスを提供すると書いてあっても実際は利用できないものが多い。1度に下ろせる金額に限度があるもの不便だ。
交通も不便。外国人があまりバスに乗らない理由の1つだ。英語サービスがなかったり、案内放送や案内スクリーンがまったくない場合もあるし、バス停に止まらず通りすぎてしまうときはどこで降りていいか分からず混乱した。慶州(キョンジュ)を旅行した時はバスが主な停留場にだけストップしていた。なのでバスに乗るときはいつも地図アプリでまず検索をする。
食べ物に慣れるのも大変だった。最初に韓国に来た頃はご飯だけ食べていた。パンも口に合わなくて1か月間ケーキだけ食べたこともあった。そのうち「サブウエイ・サンドイッチ」を食べたり、外国人の口にあう「ハンスデリー」で買って食べたりするようになった。キムパプもほとんど毎日と言っていいほどたくさん食べた。
韓国生活に慣れるまでいろいろと苦労したようだ。食べ物に関しても困ったそうだが、好きな韓国料理といえば? プデチゲが一番好き。ソーセージが入っているから。プルコギ、サムギョプサルも大好物だ。
もうすぐドイツに帰国することになるが帰ったら何を食べたい? ソーセージが一番食べたい。濃厚なチーズとドイツ式の「牛乳ご飯」も食べたい。
韓国で経験したことの中で一番記憶に残ることは? 一人で慶州を旅行したことが一番記憶に残る。ソウルでは道に迷うと一大事。慶州で道に迷ったわけではないがみんなソウルより親切だった。外国人を珍しがって一緒に写真を撮ろうと言ってくれた人もいた。
韓国のTV番組に出演したことも楽しかった。ニュースに出たこともあるし、知り合いの先輩が主人公として出演した「お隣のチャールズ」という番組に出演したこともあった。3時間にわたる撮影だったがTVに出た時間はたったの2分。とくかく珍しい経験だったと思う。
韓国で出会った人の中で一番記憶に残る人は? たくさんの人が思い出される。海印寺(ヘインサ)でテンプルステイをしたことがあるが、そこの住職さんと友達になった。
ドイツ人と違う韓国人だけのユニークな特徴があるとすれば?ドイツ人のジョークは面白くないものが多いけれど、韓国人はジョークが上手い。
韓国文化とドイツ文化の一番の違いは? ドイツと違って韓国では上下関係を重視する。ドイツだと成人同士なら年齢に関係なく気楽に会話できるが、韓国では敬語を使わなければならない。大人の前で守るべき礼儀もあるのだが、馴れないのでつい礼を欠いてしまう。ドイツでは韓国のような「年齢差別」がない。
韓国人はドイツ人と違って疑い深い気がする。他人の好意を純粋に受け入れず、なぜよくしてくれるのかを考える。以前韓国人のボーイフレンドが引っ越しをしたとき周りの人が助けてくれたのだが「それほど親しくもないのになぜ?」と彼は理解できない様子だった。ドイツでは自分が助けてもらうときはありがたく受け入れ、次に機会があれば今度は自分の方から力を貸す。
韓国とドイツでは授業がどのように違うのか。 韓国での最初の学期にショックを受けたことがある。学期明けの初日に遅刻したり講義室に現れない教授がいた。なんの知らせもなく2週間遅れて授業を始めた科目も合った。ドイツでは経験したことがない。
成績評価のシステムも異なる。ドイツでは絶対評価で点数がつけられるが、韓国では相対評価で算出する。ここで美術の講義を受講したが、私は美術専攻ではない。頑張ったけれど当然専攻の学生たちの方が結果が良いので私はいい成績がもらえなかった。
講座を申し込むプロセスにも差異がある。人気の講座は申し込む人が多いので受講できない場合がある。ドイツではこうしたストレスを受けることなく取りたい科目を選びゆとりをもって受講できる。だが、韓国では受講科目のコードを覚え緊張して待たなければならない。前回も講座を申し込むために2時間座ったまま「クリック」し続けた。
韓国の学生とドイツの学生ではどこが違うのか。かなり違う。韓国の人たちがなぜこんなに一生懸命勉強をするのかよく理解できない。相対評価を受けているからだろうか。もし絶対評価ならストレスはずっと少ないかもしれない。ドイツでは自由時間にこなせるだけの宿題が出される。図書館で夜通し勉強をする人は一人もいない。大学の図書館は夜になると閉ざされる。ドイツの大学はパーティーもたくさんある。韓国では出される課題が多すぎて自由時間がほとんどなかった。
韓国では教授が読む本を指定するとすぐその本を読んで授業に参加しなければならない。さもないといい成績がとれない。ドイツでは指定された本と類似した薄い本を読んでいってもいい成績がとれる。
ドイツに戻ったら韓国のどんなところが一番懐かしくなるだろうか? 食べ物。ブデチゲが一番懐かしくなると思う。ベルリンにはアジア系のスーパーがたくさんあるのでラーメン、餃子、キムチのような食料品は簡単に購入できると思う。
コリアネット ユン・ジヘ記者
写真:コリアネット チョン・ハン記者
翻訳:イ・スミン
wisdom117@korea.kr