韓国で働く外国人労働者の退職金の管理が強化される。

韓国政府は、帰国することで受け取れなかった外国人労働者の出国満期保険金を保障することを決めた。この内容が盛り込まれた「外国人雇用法施行令見直し案」が国務会議で成立し、29日から施行されると雇用労働省(以下「雇用省」)が22日に明らかにした。

出国満期保険金は、外国人労働者の退職金を保障する制度で、外国人労働者が賃金の一定比率の額を毎月積み立てるというものだ。今後、外国人労働者の退職金はこの「出国満期保険金」の形で運営される。外国人労働者は、出国してから海外の口座を通して受け取る方法や、韓国の空港の出国審査台を通った後に現金を受け取る方法など、いくつかの方法の中から選択して退職金を受け取ることができる。

外国人労働者が受け取らないまま消滅時効を迎えた出国満期保険金は、今年6月時点で約2万7600件で、その規模は144億ウォンに上る。



雇用省は、休眠保険金保障事業の施行に向け、近いうちに韓国産業人力公団内に休眠保険金委員会設置の手続きを完了させる予定であると発表した。どうしても所在が把握できない外国人労働者の出国満期保険金は、該当国に移管して当人に渡す方法を進めることにした。

同見直し案は、外国人労働者の出国満期保険金の受給権を強化した。これまでは外国人労働者が職場を離脱した場合、使用者(事業主)に出国満期保険金が帰属されたが、今後は職場を離脱したとしても、1年以上勤務していれば外国人労働者が保険金を受け取ることができる。

また、差額支給要件を明示し、出国満期保険金が退職金よりも少ない場合は、使用者が差額を支給するよう規定した。労働者の退職金は、勤務年数と超過勤務時間に比例して高くなり、出国満期保険金との差額も大きくなる。これまでは、こうした差額が情報不足などの理由で見過ごされるケースが多かったが、今後は保険金と退職金に差額が発生した場合は、保険事業者が使用者と労働者に差額を書面で示さなければならない。

外国人労働者の出国満期保険金の支給要件も明確に規定された。見直し案は、職場を変更する外国人労働者の出国満期保険金の支給時期を出国した後と規定した。しかし、職場を変更する過程で労働者が生計資金を必要とする場合は、出国満期保険金を担保に融資を受けられるようにした。労働者が病気やケガなどで4週間以上の療養が必要だったり、外国人労働者が帰責事由なく職場を変更することになったりした場合に適用され、積み立てた保険金の2分の1の限度内で融資が受けられる。

また、これまで外国人労働者が一時金として納付してきた帰国費用保険料の負担が緩和され、帰国費用保険料を分割して納付できるようにした。納付期間も現行の80日から90日に伸びた。

以下は、雇用省の関係者との一問一答だ。

 - 出国満期保険金保障事業の実施に向けて産業人力公団内に休眠保険金委員会が設置されるのはいつ。
休眠保険金委員会は、審議・議決機関だ。保険金を保障するためには保険会社の休眠保険金の公団への移転や委員会の委員構成、委員会の規定策定といった手続きが必要だ。今のところ計画では今年8月までに関連手続きを完了させる予定だ。

- すでに出国した外国人労働者が出国満期保険金を受け取るには、自国でどんな方法で申請すれば良いのか。オンライン申請はできるのか。
未請求の保険金の海外での請求は、韓国産業人力公団の海外支社や各国の送出機関、地方労働事務所への来訪、郵便、ホームページなどで申請できる。外国人労働者の保険金申請に必要な書類(申請書、本人身分証明書、通帳の写しなど)を韓国産業人力公団の海外支社(EPSセンター、Employment Permit System)のホームページにアップロードすれば、保険金を申請することができる。しかし、様々な事情から、一部来訪が必要な国もある。

- 職場を変更する外国人労働者が生計資金の必要から出国満期保険金担保融資を申請する場合は、どこでどのようにすれば良いか。
従来の施行令は、保険金の担保を提供できないよう規定されていたが、今回の見直しで保険金を担保に融資が受けられるようになった。担保融資機関などを強制することはできず、外国人労働者がどの金融機関を選択して融資を受けるかは当人が決めることだ。ただし、実効性を考慮し、低金利で担保融資が受けられるよう、現在の出国満期保険会社が担保融資商品を開発しているところだ。今年10月以降発売される予定で、そのときに具体的な申請方法や金利などがわかる。

- 外国人労働者の帰国費用保険料の分割納付は、最大何回まで可能か。
これまでは一括納付だったが、見直し案は最大3回まで分割納付できる。外国人労働者が入国初期に帰国費用保険に加入した場合、90日以内に一括、または2回・3回分割納付のいずれかを選択し、納入金額も下記の通り本人が決めるようにした。この保険は、施行令の施行日に入国する労働者から適用される。

- この見直し案の意義とは。
出国満期保険金制度の本来の趣旨を生かし、外国人労働者の保険金受給権を大幅に強化したことだ。これまでの制度運営過程で不十分な点や問題が指摘された点を見直し、施行令に反映させた。

外国人雇用法の見直し案に関する詳細は、関連機関のホームページをご覧ください。.

雇用労働省 http://www.moel.go.kr/english/main.jsp

EPSセンターhttps://www.eps.go.kr/wem/en/index.jsp

コリアネット　ユン・ソジョン記者
arete@korea.kr