「新韓半島平和ビジョン」をテーマにした演説をするため入場している 文在寅大統領=6日、ドイツ・ベルリン、青瓦台
[ミン・イェジ、イ・ギョンミ]
文在寅(ムン・ジェイン)大統領はドイツで韓半島の平和統一構想を盛り込んだ「新ベルリン宣言」を発表し、ドイツと統一宣言のつながりが改めて注目されている。
文大統領は6日、ベルリンでケルバー財団(Körber Stiftung)の招待で行った演説で、「ドイツの統一経験は地球上最後の分断国家である我々に統一に対する希望と共にこれから進むべき方向を教えている」とし、平和協定の締結や離散家族の再会など対北政策の構想を盛り込んだ「新韓半島平和ビジョン」を発表した。
ドイツ訪問中、統一や対北宣言を発表したのは文大統領だけではない。多くの歴代大統領はドイツを訪問する際に演説を通じて「宣言」や「構想」で具体的な対北メッセージを伝えてきた。
韓国大統領として初めてドイツを訪問したのは朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領。朴元大統領は1964年12月、西ドイツを国賓として訪問した。その後、ドイツ統一の立役者と呼ばれるヘルムートコール首相時代に全斗煥( チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)、金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が次々と訪問し、首脳会談で協力について話し合った。
金泳三元大統領は1995年、当時ドイツの外交団体が招待した演説で、北韓が必要とする援助や物資を長期的に低利で提供する用意があると発表し、北韓に対して平和メッセージを伝えた。
それから5年後、金大中(キム・デジュン)元大統領は2000年3月、ドイツ・ベルリン自由大学で「ドイツ統一の教訓と韓半島の問題」をテーマにし、北韓への大規模な経済支援と南北の特使派遣、南北間対話、離散家族の早期解決などが盛り込まれた「ベルリン宣言」を発表した。それを受け特使が派遣され、宣言発表から3ヶ月で北韓の平壌(ピョンヤン)で史上初の南北首脳会談が行われ「6・15共同宣言」にまでつながった。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は2005年4月ドイツを訪問した当時、東ドイツと西ドイツの架け橋である「ブランデンブルク門」を視察し、ドイツの統一政策に関して助言を求めた。
国賓としてドイツを訪れた朴槿恵(パク・クネ)前大統領は2014年3月、ドレスデンで「統一大当たり(韓国と北朝鮮の統一 によるメリットを強調した言葉)論」と表現した「ドレスデン宣言」を発表した。
このように韓国の大統領がドイツ訪問し、対北メッセージを伝えたり統一の構想を発表することについてベソウル大学統一平和研究院HK研究団のイム・ホン副団長は「ドイツはビリーブラント旧西ドイツ首相の時から『接近による変化(Wandel durch Annährung )』政策を通して『東方政策』を一貫して進め、平和統一を遂げたとの点から韓国が参考にして良い国だから」と言った。
冷戦と分断の痛みがあったものの、平和統一を遂げ欧州統合と繁栄をリードしているドイツで「平和統一」を願う韓国首脳の努力は続いている。
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