来年度の予算案に関する記者会見で発言する洪楠基経済副総理兼企画財政部長官=31日、ソウル、企画財政部
[イ・ハナ、イ・ギョンミ]
韓国政府は31日、604兆4000億ウォン(約56兆9800億円)規模の2022年度予算案を閣議決定した。2021年度の本予算より8.3%増えた。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこの日の国務会議で、「完全な回復と強い経済に向け、来年度の予算も拡張的に編成した」と述べた。
来年度予算案の総収入は548兆8000億ウォンで、このうち国税収入は338兆6000億ウォンとなっている。
総収入より総支出の方が多い赤字予算となり、来年の政府債務残高は1068兆3000億ウォンとなる見通しだ。国内総生産(GDP)比で50.2%。政府債務残高が1000兆ウォンを超えるのも、GDP比50%を超えるのも初めてとなる。
政府は、二極化に対応するため、83兆5000億ウォンの予算をつぎ込む。新型コロナウイルスの感染拡大以来、深刻化した格差問題を解決するため、31兆ウォンを投じて211万人の雇用を創出する。病気や負傷をした人に最低賃金の60%を支援する韓国型傷病手当を試験的に実施する。
子ども手当の支給対象は、従来の7歳未満から8歳未満に拡大し、0~1歳に月額30万ウォンを支給する乳児手当を新設する。子どもが生まれたら一時金200万ウォンを支給する。低所得層の若者には家賃(月20万ウォン)を支給するなど、若年層に対する支援に23兆5000億ウォンを投じる。この影響で、保健・福祉・雇用分野の来年度の予算は216兆7000億ウォンと、初めて200兆ウォンを上回ることになった。
また、2022年のワクチンとして確保した1億7000万回分など、国民のワクチン接種に3兆5000億ウォン、ワクチン自主権の確保に5000億ウォンなど、十分なワクチン接種・防疫を支援するために5兆8000億ウォンを投じる。
新型コロナの影響で直撃を受けた小規模事業者の被害克服といった支援のためには、今年の3倍以上の3兆9000億ウォンを投じる。損失補償に1億8000億ウォン、信用度の低い小規模事業者などに対する緊急資金支援に1兆4000億ウォンなどが含まれている。
韓国版ニューディールに33兆7000億ウォン、地域均衡発展に52兆6000億ウォンの予算が編成された。首都圏広域急行鉄道(GTX)建設事業、非首都圏広域鉄道事業など、社会間接資本(SOC)予算も27兆5000億ウォンで、史上最大規模となった。
国防には55兆2000億ウォン、外交強化には6兆ウォン、3大安全確保 (自然災害の予防・生命保護・生活環境)には21兆8000億ウォンを投じる。文化・体育・観光分野には、前年比3.9%増の8兆8000億ウォンを投じる。
洪楠基(ホン・ナムギ)経済副総理兼企画財政部長官は「最近、新型コロナウイルス感染の第4波など、厳重な防疫が続いており、格差解消に向けた包容的回復需要、デジタル・低炭素経済への大転換など、韓国経済・社会における大きな挑戦に対して政策的に後押ししなければならない部分が多かったため、来年にも8%台の拡張的な財政政策基調を維持する必要があると判断した」と説明した。
政府はこのような内容の予算案を3日に国会に提出する予定である。
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