科学技術

2014.01.09

韓国第2の南極基地「張保皐(チャンボゴ)科学基地(Jangbogo Antarctic Research Station)」がもうすぐ完成する。

1998年に第1の基地「世宗基地」以来26年ぶりとなる張保皐基地は、東南極ビクトリアランドのテラノヴァ湾(Terra Nova Bay)に建設される。現在、外装と内部設備工事が進行中で、3月10日に工事が完了する。

張保皐基地は延面積4458平方メートルで、マイナス40度の極限の寒さや秒速65メートルの強風など厳しい環境の不毛の地でも安定した研究と生活が営めるよう、デザインを流体力学的にするなど環境に適した形態に建設された。建物は研究室や生活棟など16の施設で構成され、冬は15人、夏は最大60人まで収容することができる。基地の名称は、9世紀初頭の新羅(57B.C.~A.D.935)の将軍で、海上貿易基地「清海鎮」を設置し、唐、新羅、日本をつなぐ海上貿易を主導した人物「張保皐(チャンボゴ)」にちなんで名づけられた。

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장보고기지가 건설되고 있는 동남극 빅토리아랜드 테라노바만 (사진: 해양수산부)

張保皐科学基地が建設されている東南極ビクトリアランドのテラノヴァ湾(写真提供:海洋水産省)


3월에 완공될 장보고과학기지의 모습 (사진: 해양수산부)

3月に完成する張保皐科学基地の航空写真(写真提供:海洋水産省)


張保皐科学基地の建設は、極限の寒さで一年に65日程度しか工事ができない悪条件を克服するために最先端の新技術工法が採用された。建築資材はエコ建材を使用し、事前に制作しておいた資材を現場で組み立てるモジュール方式で工事期間を短縮した。補給のための接岸施設は、南極の海氷にも耐えられるものでなければならないため、一般の埠頭とは違い、ステンレスで補強したブロックで建設された。完成後は廃熱や太陽熱、風力など再生可能エネルギーを活用し、基地で使用する電力の自己生産と省エネシステムを導入して南極の環境に及ぼす影響を最小化する計画だ。

張保皐基地が完成すれば、世宗基地及び砕氷研究船「アラオン号」とともに南極の気候変動や大陸基盤など多様な分野の研究が実施される。張保皐基地は、世宗基地が南極最北端のキング・ジョージ島(King George Island)に位置しているのに対し、南極大陸に拠点基地として建設されたことに意義がある。海洋水産省のキム・ヤンス海洋産業政策官は、「張保皐基地が完成すれば、韓国は世界で10番目に南極に2つ以上の常駐基地を置く国となる。世宗基地での実施が困難な分野の研究が可能になり、韓国の極地研究水準のワンランクアップが期待される」と語った。

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Ja장보고기지의 조감도 (이미지: 해양수산부)

張保皐科学基地の鳥瞰図(画像:海洋水産省)


コリアネット イム・ジェオン(林在彦)記者
jun2@korea.kr