科学技術

2022.10.07

江原道・旌善郡の地下に建てられた「礼美ラボ」=科学技術情報通信部

江原道・旌善郡の地下に建てられた「礼美ラボ」=科学技術情報通信部


[イ・ジヘ]

科学技術情報通信部と基礎科学研究院は5日、江原道(カンウォンド)・旌善郡(チョンソングン)で、地下実験室「礼美(イェミ)ラボ」の竣工式を開いた。

同ラボは、礼美山の地下1000メートルに位置する、韓国で最も深いところに建てられた地下実験施設。3000平方メートル規模で、大きさでは世界6位級。

同院は、来年から礼美ラボで、暗黒物質の探索と中性微子(ニュートリノ)の研究を本格的に進める予定だ。

存在は分かっているものの、いまだに直接検出されていない暗黒物質の検出や、中性微子の質量測定は、宇宙の生成や構成を理解するための核心要素。また、現代物理学の最大課題とされる。

暗黒物質や中性微子が発するシグナルを捉えるためには、宇宙船などのバックグラウンドノイズをできる限り減らさなければならない。このため、世界的な物理学研究チームは、非常に深い地下に研究施設を建てている。

基礎科学研究院はこれまで、江原道・襄陽(ヤンヤン)郡の地下700メートルにある300平方メートル規模の実験室で研究を行ってきた。しかし、さらに深度ある研究を進めるには、研究施設の深さや規模が足りないとされていた。

科学技術情報通信部は2016年、礼美ラボの建設を承認した。これを受け、基礎科学研究院は2020年8月に地下トンネルの工事を終えた後、臨時で運営してきた。

今年9月には、次世代大容量検出器のインフラを構築する工事や、地上研究室のリフォームを終えた。

同院は襄陽実験室の装備を移転し、礼美ラボで本格的な研究活動を継続する。また、国家数理科学研究所、韓国原子力研究院など、他の機関と連携して同ラボを共同活用する予定だ。

同部のオ・テソク第1次官は「特定の基礎科学分野では、世界的な研究成果を上げるのにおいて 巨大な研究施設が必須」とし、「礼美ラボで国内外の研究者らが共同研究に取り組み、さらに世界的な研究空間として発展させていくことを期待する」と述べた。

jihlee08@korea.kr