韓国初の月探査機である「タヌリ」が、ガンマ線バーストを観測した。写真は、当時のスペクトル。
[キム・ヘリン]
[写真=韓国地質資源研究員]
韓国初の月探査機、「タヌリ」に搭載されたガンマ線分光計が、24億光年離れた場所で発生したガンマ線バーストの観測に成功した。
韓国地質資源研究院・宇宙資源開発センターのキム・ギョンジャ博士が率いる研究チームは、タヌリに搭載されたKGRSガンマ線分光計により観測されたガンマ線爆バーストの論文(The GRB221009Agamma-ray burst as revealed by the gamma-ray spectrometer onboard the KPLO(Danuri))を、国際学術誌の「サイエンティフィックレポート」に掲載した。
ガンマ線バーストは、数秒から数十秒という短い時間に膨大なエネルギーが、ガンマ線として宇宙空間に放出される現象。宇宙の中で最もエネルギーの大きな爆発現象とみられる。
今回の論文では、2022年10月9日に発生し、今世紀最も強力だったガンマ線バースト(GRB20221009A)の測定結果を分析した。
光子エネルギーは最大18TeV(テラ電子ボルト)に達し、ガンマ線は最大49倍まで増加したことが分かった。
「タヌリ」に搭載されたガンマ線分光計
研究チームは、「タヌリ」を発射した4日目である2022年8月9日からガンマ線分光計を通してデータを集めた。10月9日、午後1時21分と25分の2回にわたり、地球から151万キロ離れた場所でのガンマ線放射をキャッチした。
ガンマ線分光計は、月面のガンマ線分光データを収集し、月面における地質資源を探査する。月面の元素分布マップを5種類以上作るために搭載された。地球と月の間を航行する10秒ごとに、ガンマ線観測データを収集している。
地質資源研究院は、月の地質資源の研究に尽力している。ガンマ線の観測を通して、月面の元素分布マップと宇宙放射線環境マップを作る予定だ。
kimhyelin211@korea.kr