[ソウル=コ・ヒョンチョン]
[写真=AETECH]
WIPO本部で開催された「グローバル・アワード2024」の授賞式に参加したエイトテックのパク・テヒョン代表(左)=7月12日(現地時間)、スイス
地球温暖化により、地球が沸騰している。猛暑、寒波、日照りなど、世界各地で異常気象や気象災害が起きている。温室効果ガスや炭素排出量の削減など、気候変動が起きるスピードを緩めるための気候テック(Climate Tech)が求められている。
このような中、廃棄物選別AIロボット「ATRON」を開発した「AETECH(エイトテック)」が注目を集めている。韓国の企業としては国連傘下、世界知的財産権機関(WIPO)の「グローバル・アワード2024」を初めて受賞したスタートアップである。
AETECHは、変化への挑戦を実践する。AIロボットを活用し、廃棄物の選別場における完璧な自動化の実現を目標としている。全世界の廃棄物処理に関するバリューチェーンを新たに構築し、廃棄物から資源を有効活用する都市鉱山を目指す。AETECHが夢見るスマートシティでは、人がゴミの分別を心配しなくてもよい。ロボットがゴミの分類から再生原料の生産まで、全ていっぺんに解決してくれる。
KOREA.netは、AETECHを訪問した。オフィスに入ると、研究員のモニターはゴミの写真でいっぱいだった。ビジョン(RGB)センサーや映像認識技術を向上させるためのデータ・ラベリングが行われていた。データ・ラベリングとは、ディープラーニングに使われるデータにあらかじめラベルを付与するプロセスだ。一見、単純作業のように見えるが、集中力と器用さが求められる。さらに、生活廃棄物の場合、生ゴミと混ざっていたり、形がつぶれていたりするので、難易度が高い。
AETECHが開発した廃棄物選別AIロボット、「ATRON」を紹介するリュ・ジェホ理事
リュ・ジェホ理事は「AETECHは電気、設計、ロボット、AI、データエンジニアなど、分野別の専門家が一つのチームを組んで、ハードウェアやソフトウェアを全て開発している」とし、「韓国特許登録10件、出願18件、海外PCT7件の知識財産権を保有しており、技術開発に強みがある」と話した。
「ATRON」に適用されたAIは、約280万件のデータを学習した。99.3%の正確度で1分当たり最大96の廃棄物を分類する。分類可能な種類は43種類だが、デリバリーによく使われるポリプロピレン(PP)は、色の別類までできる。
彼は「ATRON」を見せてくれるために、1階の作業場へと案内した。納品用のロボット製作と8月末に一山(イルサン)のキンテックスで開かれる「廃棄物・資源循環産業展(RETECH)」、11月にスペインのバルセロナで開かれる「スマートシティ・エキスポ・ワールド・コングレス(SCEWC)」準備で慌ただしい様子だった。
「ATRON」は、認識部がリアルタイムで個体を探知しデータを収集し、分析部が廃棄物の種類および特徴を分析する。そして、転換部がオブジェクトの選択やデータのフィルタリングを担当すると、選別部が命令を遂行し廃棄物を選別する。このすべてのプロセスは、監視部がリアルタイムでモニタリングを行う。また、「ATRON」のアーム付けられた真空ブロウは、メンテナンスコストが安いだけでなく、対象物を素早く正確につかむことができる。
ATECHが開発した資源選別AIロボット、「ATRON」
リュ・ジェホ理事は、最後に「単に、ロボットを販売するレベルを超え、リサイクル選別場の運営および設計コンサルティングなど、プラント単位の運営会社として成長する」と目を輝かせた。必ずやり遂げて見せるという強い意志。さすが、昨年、86億ウォン規模のシリーズA投資を受け、累積投資額122億ウォンを突破したスタートアップである。現在はブリッジラウンドを進めており、年内に80億ウォン以上を追加で誘致するという。
AIロボットをうまく活用し、資源循環における生態系の革新に挑む韓国のスタートアップ、AETECHを応援する。
hjkoh@korea.kr