科学技術

2025.02.12

他の言語で読む
 韓国の研究陣がコブゴミムシダマシからヒントを得て、生体分解性マグネシウム合金基盤の革新的なステント「構造」を開発した=ネイチャー

韓国の研究陣がコブゴミムシダマシからヒントを得て、生体分解性マグネシウム合金基盤の革新的なステント「構造」を開発した=ネイチャー


[コ・ヒョンチョン]

韓国の研究陣が、コブゴミムシダマシ(アイアンクラッド・ビートル)の骨格の構造からヒントを得て、ポリマー・マグネシウム合金ステントの機械的物性と柔軟性を高めるアイデアを提示した。

今後、既存のステントがもたらしていた血管へのストレスを、新しい技術を活用することで最大57%減少できると期待される。


全北(ジョンブク)大学校のパク・チャンヒ教授率いる研究チームのソ・イルウォン、キム・ジヌ博士は、生体分解性マグネシウム合金基盤の革新的なステントの「構造」を開発したと10日、明らかにした。

ステントとは、人体の管状の部分を管腔内部から広げる医療機器で、動脈硬化症などの治療に使われる医療機器だ。しかし、既存の金属ステントは一度挿入すると、体内に永久的に残るという問題があった。

これを解決するために、自然分解されるポリマー・マグネシウム合金ステントの研究が行われているが、機械的物性や柔軟性が低いため、屈曲した血管内での破損などがリスクとして挙げられてきた。

ソ・イルウォン、キム・ジヌ博士は「コブゴミムシダマシ」の骨格の構造を、ポリマー・マグネシウム合金ステント設計に適用することを提案した。その結果、曲げ試験(bending test)で既存のステントに比べて構造に加えられるストレスの平均値が最大57%減少した。

研究チームは今後、仲裁的メカノバイオ技術融合研究センターや革新医療機器実証センターと協力し、医療機器における研究開発や非臨床実証を進める計画だ。

hjkoh@korea.kr