自身の誕生日を前日に控えた26日、パク・テファン選手が「ライバル」の孫楊選手からケーキとカードを受け取り、満面の笑みを浮かべている
「2014仁川アジア競技大会」の競泳の最終日、「マリンボーイ」パク・テファン(朴泰桓)選手が2つの嬉しい出来事に満面の笑みを浮かべた。
パク選手は26日、自身の名を冠した「文鶴朴泰桓プール」で行われた男子競泳自由形1500メートルと男子400メートル・メドレーリレーに出場した。パク選手は1500メートルで惜しくも4位に終わったが、メドレーリレーで銅メダルを追加し、自身が獲得したアジア競技大会のメダル数はこれで20個となった。彼が今大会で獲得したメダルは、銀メダル1個と銅メダル5個だ。
26日に行われたアジア競技大会の競泳メドレーリレーで銅メダルを追加し、韓国人選手としてアジア競技大会最多メダル獲得記録を打ち立てたパク選手が、表彰式で両手を高々と上げて観衆の声援に応えている
この日のレースを前に、メディアと観衆の注目は、パク選手が韓国人選手のアジア競技大会歴代最多メダルを獲得するかどうかに集まっていた。先に出場した1500メートルでパク選手は惜しくもメダルを逃した。その事実をよく知っていたライバルの孫楊選手(中国)は、自身の金メダル獲得に歓声を上げる中国人の観衆に向かってパク選手に拍手を送るよう促すゼスチャーをした。パク選手は、競泳の長距離種目である1500メートルを終えた後に出場したメドレーリレーで、周囲の期待に応え、韓国人選手最多メダル獲得数という記録を打ち立てた。
26日に行われた仁川アジア競技大会の競泳男子自由形1500メートル決勝の後、パク選手に拍手を送るよう孫楊選手が観衆に促している
しかし、この日のハイライトは、出場選手のメダルでもパク選手の記録達成でもなかった。
男子メドレーリレーの表彰式を終えた後、銅メダルを首にかけたパク選手は、ともに出場したパク・ソングァン選手、チェ・ギュオン選手、チャン・ギュチョル選手と取材陣のカメラに向かってポーズをとっていた。フラッシュを浴びるパク選手に孫楊選手が近づいてくると、場内に「明日27日はパク選手の誕生日です。これをお祝いしようと孫楊選手がケーキを用意しました」というアナウンスが流れた。孫楊選手の後には係員がケーキを持って立っていた。
パク選手の誕生日の前日となった26日、お祝いのケーキを贈った孫楊選手がクリームをパク選手の顔につけている
26日、パク選手と孫楊選手がケーキを掲げてポーズをとっている
孫楊選手は、誕生日を翌日に控えたパク選手のためにソウルに滞在していた自身の母親にケーキを購入するよう頼み、レースを終えたパク選手のためにサプライズ・イベントとしてケーキとカードを贈った。ケーキには「テファン!誕生日おめでとう!!」とハングルで書かれていた。長きにわたってライバル関係だったパク選手と孫楊選手。関係者らは二人の友情に大きな拍手を送った。
パク選手は、「孫楊選手がケーキを贈ってくれるなんて夢にも思っていなかったので、とても嬉しい。競技会場でこんな経験をするのは生まれて初めてだ。中国や日本の選手たちに自分の誕生を祝ってもらっているようだ」と話した。また、「孫楊選手が思い出をつくってくれてとても嬉しい。孫楊選手に心から感謝したい」と喜びを表した。
記事:コリアネット チョン・ハン記者
hanjeon@korea.kr