ついに人間が人工知能に勝った。
最初から対等な勝負ではなかった。
1202台のスーパーコンピューターと繋がった最新技術で武装した人工知能「アルファ碁(AlphaGo)」と人間1人による囲碁の対決だった。「アルファ碁」は相手の棋譜をすべて知っていた。その反面、人間は「アルファ碁」の棋譜はほんの数個しか読んでいなかった。

13日、「アルファ碁」が李世ドル九段との第4局で敗北を認め、「アルファ碁は放棄します(AlphaGo resigns)」というメッセージを表示した。
13日、ソウルで開かれた「グーグルディープマインド・チャレンジマッチ」5番勝負の第4局で、李世ドル(イ・セドル)九段が180手で「アルファ碁」に勝利した。李九段は5戦3先勝制のチャレンジマッチで第1~3局まで連敗したが、第4局で「スパコン」を相手に奇跡のような初白星を挙げた。

13日、李世ドル九段がグーグルの人工知能「アルファ碁」との第4局で中押し勝ちを収めた後「3連敗してからの1勝なので非常に嬉しい。皆さんの応援のおかげで1勝でも勝てたのではないかと思う」と感想を述べた。
この日の対局は中盤戦で李九段が勝機を掴んだ。李九段は、2隅を制してから左辺と右辺にも地を作る「実利作戦」を展開し、「アルファ碁」は上辺から中央まで巨大な地を作った。
勝負所は中央だった。
李九段は逆転を狙って「アルファ碁」の陣地になりそうな中央に仕掛けた。
この直後「アルファ碁」は右辺で意味不明な悪手を連発し、自ら形勢を悪くした。
李九段は78手で中央で「割り込み」を打つという妙手を見せた。
途端に形勢が李九段の方へと傾いた。
1秒で10万通りを計算できる「アルファ碁」は、敗色濃厚になった後も30手余りを打ったが挽回はできなかった。とくに、李九段が「アルファ碁」唯一の宝庫だった下辺の大きな地に飛び込み破壊すると「アルファ碁」も降参を宣言するほかなかった。
「アルファ碁」はモニターに「アルファ碁棄権。『白番中押し勝がち』という結果がゲーム情報に追加された(AlphaGo resigns. The result "W+ Resign" was added to the game of information)」と書かれたポップアップ画面を表示した。
難攻不落と思われた「アルファ碁」を相手に収めた李九段の勝利は、すぐさま速報として伝えられた。中国官制メディアのCCTVは「李世ドルが初白星を挙げた。人類の面子を挽回した」と報じた。AP通信も「今日の勝利は何ものにも代えがたい価値がある」との李九段の感想とともに「人工知能は完全ではなかった」と報じた。AFP通信やDPIも「李九段が屈辱的な敗北の末、人類が機械に勝利する喜びを味合わせてくれた」と速報を出した。英紙ガーディアンは「李九段が第5局では勝利の価値を高めるために黒番で打つと明らかにした。グーグル側はこの日の敗北がアルファ碁の弱点を研究するうえで役立つと説明した」と伝えた。今回の対局の英語解説を務めたマイケル・レドモンド九段はガーディアン紙とのインタビューで「とくに李九段の78手は実に素晴らしかった。対局を勝利へ導く妙手だった」と称賛した。
コリアネット ウィ・テックァン記者
翻訳:イ・ジンヒョン
写真:囲碁TV、聯合ニュース
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