バルセロナ(スペイン)は、世界のどこにも見られないユニークな建築物や公園などが息づく街だ。中でも代表的なのが、アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi、1852-1926)が建築に取り組んだ「サグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)」だ。この聖堂が建築され始めたのは1883年だが、100年以上経った今も未完成のままで、荘厳なスケールと繊細な装飾が1世紀の努力と価値を十分に立証している。建築物というものには自然の美しさが盛り込まれていなければならないという信念を持っていたガウディは、サグラダ・ファミリアの他にも様々な建築物に彼のアイデアを反映させ、19世紀の建築界の発展を支えた。文化的・芸術的価値が高く評価され、サグラダ・ファミリアの他にも、カサ・ミラやグエル邸、グエル公園、コロニア・グエル教会地下聖堂、カサ・バトリョなど、彼が設計した7つの建築物は、ユネスコ世界文化遺産に登録されている。建築家が個人でこれだけの業績を収めたのは彼だけだ。
アントニ・ガウディ
そんな天才建築家ガウディに出会える「バルセロナを夢見る、アントニ・ガウディ展」が、31日からソウルの芸術の殿堂ハンガラム・デザイン美術館で開かれる。ガウディが残した文化遺産を観覧できる意義深い展示だ。彼がいかにして20世紀の建築・芸術を代表する革新的人物になったかを知る絶好の機会で、個人的な記録や作品、創作過程などを垣間見ることができる未発表の作品が初めて公開される。
特に、図面原版やスケッチ、当代の記録写真、模型、家具、トレンカディス(Trencadís、陶器の破片などを張り合わせたモザイク)といった展示品を通じ、芸術家としての、また科学者としてのガウディを紹介する。注目すべきは、やはりサグラダ・ファミリアにまつわる秘密だ。サグラダ・ファミリアの建設過程を撮影した貴重な写真のほか、聖堂の構造的要素を示した様々な模型や図面、スケッチなどが展示される。
ガウディが大学時代に描いた大学の講堂の断面図(@Catedra Gaudi)
ガウディが設計したグエル公園(@Yoon, Joonhwan)
グエル公園に設置されているトレンカディス技法の六角形の彫刻(@Catedra Gaudi)
1898年~1912年新都市計画案に基づいてガウディが設計したアシャンプラ地区のカサ・ミラ(@Yoon、Joonhwan)
また、スペシャル・セクションでは、ガウディを芸術的インスピレーションの源と慕っていたスペインの現代美術の巨匠、ホアン・ミロ(Joan Miró、1893~1983)が紹介される。ガウディのトレンカディス作品やガラス彫刻などを連想させる彼の版画やガウディを敬う思いを綴った書籍・文書などが展示される。
展示は11月1日まで。詳細は同展示会のホームページをご覧ください。
http://antonigaudi.co.kr
「カサ・カルヴェットのベンチ」(@Catedra Gaudi、写真:Isabel Casanova)
「カサ・バトリョ」(@Yoon Joonhwan)
コリアネット イ・スンア記者
写真提供:CCOC
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