アルネ・ヤコブセンの「SASロイヤルホテルのためのエッグチェア」。現在も愛され続けるこの作品は20世紀のデンマークデザインを集めた『デンマークデザイン展』で確認できる
シンプル、素敵、実用的。
これらは北欧デザインを言い表す単語である。この3つの単語は芸術好きや家具好きでない人々にも北欧、とりわけスカンジナビア3国(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)とデンマークのデザイン商品が愛される理由を良く説明している。
なかでもデンマークデザインの作品だけを集めた『デンマークデザイン展』が10日からソウル芸術の殿堂・ハンガラムデザイン美術館で開催される。
デンマークを代表する陶磁器メーカー「ロイヤルコペンハーゲン」のザゼンソウが描かれた花瓶
「ビングオーグレンダール」のソースサーバー。1853年創業、1880年代には世界的な人気を博しロイヤルコペンハーゲンと 肩を並べていたビングオーグレンダールは、1987年にロイヤルコペンハーゲンに買収される
コペンハーゲンの「デザインミュージアム・デンマーク」との協力でデンマークのデザイン史をまとめた今回の展示では、特に世界的に認められ始めた20世紀半ば前後のデンマークデザインに注目している。
デンマーク王室御用達の陶磁器メーカー「ロイヤルコペンハーゲン」から1960年代に米大統領候補のテレビ討論会でケネディが座ったことで有名になったハンス・J・ウェグナーの「ザ・チェア」に至るまで、日常で使う食器・椅子・玩具・ラジオなどデンマークを代表するデザイン作品の約200点が会場を埋め尽くす。
展示では20世紀半ばに活躍した巨匠たちが手がけたビンテージ家具も数多く見られる。写真は当時米大統領候補だったJ.F.ケネディがテレビ討論会で座ったことで有名になったハンス・J・ウェグナーの「ザ・チェア」
フィン・ユールの「チーフティンチェア」。彼は「椅子は単にそこに置かれた装飾品ではなく、形と空間そのものだ」と話した
たくさんの笠を組み合わせた照明システムの先駆、ポール・へニングセンの代表作「PHアーティチョーク照明」
展示にはアルネ・ヤコブセンの「エッグチェア」やポール・へニングセンの「アーティチョーク照明」など、20世紀半ばに活躍していた有名デザイナーの作品も多数含まれた。
他にも組み立てブロックメーカーの「レゴ」、高級スピーカーメーカーの「バング&オルフセン」など日常で使われる現代のデンマークブランド商品もある。
展示を企画した芸術の殿堂は「『デンマークデザイン展』にはデザインが社会と個人の生活を改善することができるというデンマークデザインの哲学が込められている。半世紀以上も再生産され変わらず愛され続けるこれらのデザインから、時間が過ぎても変わらない価値を求めるデンマークの生き方が窺える」と説明した。
「バング&オルフセン」の原点となったヤコブ・イェンセンデザインのビンテージポータブルラジオ
脚のない椅子、組み立てや仕上げの不要なシェルチェアを初めて実現したヴァーナー・パントンの「パントンチェア」
カイ・ボイスンのサル型アクションフィギュア。ウッドの暖かさを活かしながらも手足を動かせるボイスンの木製玩具コレクションは北欧モダニズムを代表するデザインとなった
デンマークデザインの歴史を一目で見渡せる『デンマークデザイン展』は11月20日まで開催される。毎月最後の月曜日は休館日。
コリアネット チャン・ヨジョン記者
写真:芸術の殿堂
翻訳:イム・ユジン
icchang@korea.kr
『デンマーク デザイン展』は芸術の殿堂・ハンガラムデザイン美術館で11月20日まで開催される