小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の翻訳版。(左上から時計回りに)韓国版、日本版、台湾版、ベトナム版、ハンガリー版、タイ版、中国版、スペイン版=民音社提供
映画「82年生まれ、キム・ジヨン」が23日の公開から1週間で、観客動員数120万人を超え、1位を記録している。
ジェンダー不平等に関するイシューは、特定の国の問題ではなく、全世界に共通するテーマであるため、世界各国から共感を得ている。日本・中国・台湾・ベトナムといったアジア地域以外にも、米国・英国・ドイツ・フランス・スペイン・ロシアなど計17カ国に輸出され、小説を原作とする映画も37カ国にすでに販売された。
昨年12月に刊行された日本語版は、発売からわずか1カ月で5万部を突破し、韓国文学としては異例の売れ行きを見せている。
また、NHKや朝日新聞、産経新聞など日本の主なメディアで数回取り上げられ、日本でもこれまで語られたことのない経歴断絶(結婚や出産を機に、仕事を辞めざるを得なくなって、キャリアが途切れてしまうことを指す韓国語)、性差別問題が社会的な話題となったと評価された。
文学評論家で編集者の朴惠眞(パク・ヘジン)さんは、「一般的な輸出側、輸入側という立場が逆転し、海外の出版社から先に連絡が来た。この作品を高く評価し、どうしても出版したいと強くアピールしてきた」と話した。
その上で、「具体的な状況は国それぞれだが、女性が経験する差別の問題や断絶、疎外の感覚は国境を越えた普遍的なテーマだ」とし、「この作品はそれを伝える強い力を表現しているため、世界各国で高く評価されると思う」と分析した。