映画「誕生」のメディア向け試写会・記者会見が終わった後、記念撮影するパク・フンシク監督と俳優たち=23日、ソウル、イ・ギョンミ撮影
[ソウル=イ・ギョンミ]
[映像=ミン映画社 公式YouTubeチャンネル]
韓国人初のカトリック司祭である聖アンデレ金大建(キム・デゴン、1821~1846)神父の一代記を描いた映画が公開された。
映画「誕生」のメディア向け試写会・記者会見が23日、ソウル市内の映画館で開かれた。会場には映画を演出したパク・フンシクをはじめ、主人公を演じた俳優のユン・シユン、イ・ムンシク、イ・ホウォンなどが出席した。
同映画は、金大建が様々な苦難を乗り越え、朝鮮時代初の神父になる過程から、殉教するまでを描いている。去年迎えた生誕200周年と、ユネスコ世界記念人物に選ばれたことを記念し、映画が制作された。
パク監督は「(映画を作るために)いろいろ調査してみたが、カトリック教徒だけでなく、宗教を信仰していない人にも知ってもらいたい歴史的な意味がある人物であることが分かった」と、作品制作の理由を説明した。また、「(誕生というタイトルは)初の神父の誕生であり、朝鮮近代化の誕生でもある」と話した。
朝鮮時代、復活祭のミサを捧げる金大建神父。「誕生」のワンシーン=ミン映画社
宗教に関する話ばかりではない。外国語や測量術など、西洋の文物を身につけ、朝鮮の近代化のために頑張った青年の人生に焦点を合わせる。朝鮮時代のカトリック迫害やアヘン戦争など、当時の歴史的な状況もうかがえる。
金神父を演じたユン・シユンは「新しい世界を探検した情熱あふれる青年の物語」とし、「(ラテン語、フランス語、中国語など)外国語のセリフが多く、四季を通していろいろな所へ行ったが、聖なる使命を信じて演じた」と語った。
フランシスコ教皇に謁見し、映画について話し合う俳優ユン・シユン(左から2番目)、兪興植枢機卿(左から3番目)=16日(現地時間)、バチカン、ローマ教皇庁
これに先立ち、今月16日、ローマ教皇庁(バチカン)で特別試写会が開かれた。パク監督や俳優たちはフランシスコ教皇に謁見し、映画について話し合った。
制作会社によると、フランシスコ教皇は「韓国のすばらしいアーティストが、金大建神父に関する映画を作ったのは、非常に印象的」とし、「カトリック教徒、人間として美しい人生を生きて亡くなった方について研究できたことは、皆さんにとっても祝福だと思う」と伝えた。
映画に対する現地観客の熱い反応について、ユン・シユンは「東洋の小さな国でカトリックが伝えられ、その中で奇跡が起きたことについて西欧圏が高い関心を持っていたということを感じた」とし、「(映画制作やバチカンでの試写会など)全てが可能だったのは、良質の韓国映画が信頼を得て、Kカルチャーが愛されているからだ」とした。
1821年8月21日に生まれた金神父は、韓国にカトリックを広く伝播することに献身し、25歳に殉教した。1984年、訪韓した当時の法王ヨハネ・パウロ2世によって列聖された。
国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、金神父の人生と業績がユネスコの追及する理念に合うとして、2019年11月に世界記念人物として選んだ。また、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂の外壁には金神父の彫刻像が設置される予定だ。
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