ソウル龍山駅に設置された「強制徴用労働者像」=コリアネットDB
[ボージャン・ストジコブスキー(北マケドニア)]
日本による対韓輸出規制が世界的に注目を集めている中、この貿易戦争が韓日歴史問題を解決する新たな手段になるか注目している人もいる。
きっかけは、韓国の裁判所による元徴用工らへの損害賠償判決。日本が韓国向けの半導体材料3品目の輸出規制を厳格化する措置を発表してから、この論争は深刻化している。
日本は、韓国の戦略物資輸出統制問題を提起し、「核・ミサイル開発などに使われる品目や制裁対象品目が北朝鮮に輸出される恐れがある」と対韓輸出規制の背景を述べた。だが、韓国は厳しく戦略物資輸出を統制していると日本側の主張を否定した。
韓日両国で緊張が高まっている問題はこれだけではない。世界市場でメモリチップの価格が急騰するおそれがある。この問題について、ドナルド・トランプ米大統領は外交的に解決できるよう、米国の仲介を提案した。
だが、韓国と日本はG20加盟国であるため、その影響力は大きく、世界における技術市場にも被害を与えかねない。
ここで、この問題の核心を考えてみよう。貿易戦争で日本による植民地時代の強制徴用問題が解決できるだろうか。他の国の例をあげるなら、私の国である北マケドニアも、隣国のギリシャと歴史問題を巡って論争をしたことがある。
両国は約30年間、国名問題を巡って対立があった。そのうち、1994年にギリシャの北マケドニア(当時、マケドニア共和国)に対する制裁措置は1年半も続き、北マケドニアは約20億ドルに上る被害を受けた。
ギリシャが北マケドニアに対する制裁措置を取ったのは、歴史問題を巡る対立を解決するのに何の役にも立たなかった。両国には双方が納得し、合意に至るまでに、時間や政治的・外交的な努力が求められた。
ギリシャと北マケドニアの例が、現在の韓日問題と同じだと言えないが、貿易戦争の背景に歴史問題があるという点は類似していると思う。侵略戦争や植民地化によって多大の損害と苦痛を受けたバルカン半島と北東アジアも同様だ。韓日両国は、この貿易戦争の原因と現実を正しく捉える勇気が必要だ。
国家間の歴史問題を解決することは大変難しいことだ。しかし、先進国である韓日の論争が深刻化するにつれて、他の国も少ながらず影響を受けるだろう。韓日両国はこのことを忘れてはいけない。また、この論争を解決するために努力しなければならない。
*この記事は、北マケドニアのコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。 fayastory@korea.kr