名誉記者団

2022.06.07

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コンビニの店頭に貼られているポケモンパン「売り切れ」=7日、ソウル、キム・ウニョン撮影


[大阪=大野瑠華(日本)]


1990年代後半、韓国でシール集めブームを導いた主役である「ポケモンパン」。2022年、その社会現象が再び起きています。


7つの種類があり一つ1500ウォンで、毎日のように店の前には「ポケモンパンは品切れ。問い合わせお断り」という文字が。スーパーの店先はパンを買う人でいつもにぎわっています。

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ポケモンパンの種類=samlip


1人当たりの購入制限もついたり、SNSではコンビニにパンが入荷する時間を共有したり、パンを買った感想をアップしたりする人がたくさんいます。


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SNSで話題を集めている「ポケモンパン」=Instagram


発売からわずか40日で1000万個を売り上げたポケモンパンにまつわるエピソードは数え切れません。BTSのリーダーであるRMの両親がコンビニを転々とし、息子が欲しがるポケモンパンを探し回り、手に入れたポケモンパンの写真と共にもっとたくさん作ってほしいと訴えたという話もその一つです。


そんなポケモンパンの人気の秘密はパンの味でもなくコスパでもなく、まさにおまけで付いてくるシールです。シールは一度貼ってもすぐに剥がせるタイプのもので、一つのパンに全159種からランダムで一枚入っています。シールは中古取引サイトなどでも売られ、特にレアなキャラクターは原価の30倍以上となる金額で取引されています。


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ポケモンパンを購入するため、スーパーの前に並んでいる人たち=4月17日、ソウル、聯合ニュース


アメリカの経済紙ウォールストリートジャーナルによりますと、人気の理由は「なつかしさ」にあります。ポケモンパンは以前1990年代、今の20代30代が幼かった時に発売され、人気を集めました。その世代にとってが、大きな悩みがなかった子ども時代を懐かしみつつ、昨今の不動産価格高騰や就職難などの現実から少し逃避する癒しツールの一つになっているということです。


また、当時は親に買ってもらったりしてシールを集めていましたが、今やバリバリ働くようになって簡単に自分のお金でパンを買えるという満足感と達成感とともに購入欲・収集欲が沸き上がっているとも分析されています。レトロブームが巻き起こっている状況も相まって相乗効果を生んだのでしょう。


それと同時に、コロナという大きな時代的背景もかなり影響していると考えられます。巣ごもりを推奨したりマスクを強要されたりする閉鎖的な時代を生きていて、以前の楽しかった時代を恋しがる気持ちが全世代にわたって大きくなっているなか、ポケモンパンは世の中が望んでいるタイミングにちょうど現れたために、このような一種の社会現象になったのではないでしょうか。


*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

eykim86@korea.kr