名誉記者団

2022.08.05

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宮城オルレの奥松島コース=宮城オルレ公式ホームページ

宮城オルレの奥松島コース=宮城オルレ公式ホームページ


[仙台=木村吉貴(日本)]

2011年3月11日、私の故郷である宮城県沿岸部は未曽有の大震災が発生し、一度は変わり果てた姿になりました。

たくさんの国の支援のおかげで震災復興を成し遂げ、現在に至ります。特に、仙台と韓国の直行便が再就航した時は、地元の宮城県の人たちから「復興の象徴」と言われました。

今回は震災後の韓国への直行便再就航の経緯と宮城オルレについて、宮城県ソウル事務所所長の辻井拓さんにお話をお聞きしました。


・震災後の韓国への直行便再就航

2011年3月11日の東日本大震災発生直後、仙台空港は津波浸水被害などがあり、国際線・国内線とも全面的に運休しました。その後、応急復旧して自衛隊や米軍の支援物資輸送機の利用時期を経て、国内線は7月にほぼ再開しましたが、国際路線は再開が遅れていました。

震災発生から約半年後の2011年9月25日に国際線の再開第1号としてアシアナ航空のソウル(仁川)線が再開したときは、仙台空港に大臣や知事も集まり「震災から立ち上がる東北の象徴となる」「復興に大きく寄与する」と地元から大きな歓迎を受けました。

6月4日にオープンした済州オルレ18-2コース=済州オルレ公式フェイスブック

6月4日にオープンした済州オルレ18-2コース=済州オルレ公式フェイスブック


・オルレとは?

「オルレ」は韓国・済州島から始まったもので、もともとは済州の言葉で「通りから家に通じる狭い路地」という意味です。済州ではなじみの深い言葉ですが、トレッキングコースとして名付けられてからは韓国国内で有名になりました。

オルレの魅力は海岸線や山などの自然、民家の路地などを身近に感じ、自分なりにゆっくり楽しみながら歩くところにあります。

・宮城オルレが発足した経緯について

2016年、宮城県議会でオルレに関する提案があり、震災後に減少していた沿岸部観光客数の回復と訪日外国人の誘客拡大など、オルレを通じて持続可能な地域経済の確立が期待されることから、県内で宮城オルレ整備の機運が高まりました。 翌年、知事や県議が済州島を訪問し、オルレを実体験するとともに、済州オルレ関係者も宮城県のコース予定地を訪問し、相互に理解を深め、協定を締結しました。

その後、コース整備や済州オルレによる審査が進められ、2018年10月、奥松島と気仙沼唐桑の2コースで宮城オルレとして正式にスタートしました。現在はコースが4コース(大崎鳴子,登米)に増えています。

仙台空港国際線到着ロビーにて地元の方々から歓迎を受ける様子=木村吉貴撮影

仙台空港国際線到着ロビーにて地元の方々から歓迎を受ける様子=木村吉貴撮影


・宮城オルレオープニングセレモニー

2018年10月、宮城オルレ奥松島コースと唐桑コースのオープニングセレモニーが盛大に開かれました。韓国からは一般ツアー客のほか、メディア、役所関係者、済州オルレ関係者などたくさんの人たちが宮城を訪れました。

宮城オルレ唐桑コースを歩いた参加者からは「済州島で見る景色と全く同じだ」と太鼓判を押して頂きました。

宮城オルレオープニングセレモニー=木村吉貴撮影

宮城オルレオープニングセレモニー=木村吉貴撮影


・宮城で生きる済州オルレの精神

宮城オルレは「見て、歩いて、体験する」をコンセプトに宮城県民にも愛され、地元住民や宮城県在住の韓国人にも幅広く愛されています。

そして、行政の招聘事業や韓国との交流事業などのメインコンテンツとして重要な観光資源に位置付けられています。

オルレコースを歩いている様子=木村吉貴撮影

オルレコースを歩いている様子=木村吉貴撮影


宮城オルレは「自然の癒し」を求めて訪れる人が多いと聞いています。私自身も韓国の方たちとオルレコースを歩き、広大な太平洋、海を育むきれいな川、緑豊かな木々を眺め、日本にいるはずなのに、韓国の絹に刺繍を施したように美しい山河の中を歩いている気持になりました。

まさに「금수강산」 (錦繍江山、錦に刺繍したような美しい山河)という言葉がふさわしいと思います。

・今後の宮城オルレ

現在、宮城県では4コースあるオルレコースですが、今後もオルレを軸とした観光資源開発に重点を置いているので、新しいオルレコースを設置することが検討されているようです。

済州オルレの文化は宮城県を始め、モンゴルや日本の福岡県でも根付き、独特の発展を遂げています。今後の宮城オルレに注目です。

宮城オルレ公式サイト https://www.miyagiolle.jp

*この記事は、日本のコリアネット名誉記者団が書きました。彼らは、韓国に対して愛情を持って世界の人々に韓国の情報を発信しています。

km137426@korea.kr