政策

2016.08.02

「セマウル運動」をベースとするカンボジア養鶏事業のモデル地域で、農民らが若鶏にワクチンを接種している

「セマウル運動」をベースとするカンボジア養鶏事業のモデル地域で、農民らが若鶏にワクチンを接種している





1970年代初頭、ひどい貧困に苦しんでいた韓国農村は、農村の構造改編と近代的な農法の導入を図るセマウル運動により貧しさを克服した。そのセマウル運動をベンチマークした農村開発が他の国でも始まっている。

カンボジア・タケオ州に位置する養鶏村はこの1年ですっかり変わった。鶏のへい死率が27%から3%まで落ち、飼料費は23%も低減された。市場出荷までの期間は90日から64日に短縮され、農家は1羽あたり平均2.15ドルの所得を得た。これは韓国農村振興庁の海外農業技術開発事業(Korea Program on International Agriculture、 KOPIA)の一環として2015年に「セマウル運動連携育鶏モデル事業地域」が造成されてからのこと。

農村振興庁では世界各国のKOPIAセンターを経由して現地に合った農業技術を支援し、農業資源を開発するための支援・トレーニング事業、共同研究などを推進している。KOPIAのカンボジアセンターでは、2015年から「セマウル運動」をベースとする養鶏農家の支援事業を展開している。カンボジアの農林水産省と王立農業大学が5つの村を指定、営農組合を設立させて養鶏の飼養技術を支援することにより農家所得の向上と村共同体が自立できる基盤作りを手助けするのが主な事業内容となっている。

「セマウル運動」をベースにするカンボジア養鶏事業のモデル地域の住民たちが育鶏飼養技術の教育を受けている

「セマウル運動」をベースにするカンボジア養鶏事業のモデル地域の住民たちが育鶏飼養技術の教育を受けている





先月の19日に行われた評価会では、村会長がこれまでの事業について「最初2回の雛の購入費用と飼料費の一部をKOPIAセンターが支援し、鶏を販売してから支援金を返済するとそれを村の共同基金とする。こうして造成された自助金は3回目の雛の購入に参加した農家に小額(200ドル)、低金利(月1.5%)、短期(6カ月)の保障人不要で貸し付けることにより、農家所得向上事業に活用できるようになるので大変役立っている」と説明した。

現在、営農組合には事業当初の3つの村70の農家から98%増えた139の農家が参加している。自助金も 4万3,005ドルを集め、今年上半期には70の農家に2万3,500ドルを貸し付けた。

KOPIAのカンボジアセンターによると、この3カ年事業が2017年に完了したら農民たちが集めた自助金は村の開館や共同事業場建設などに使われ、雛の生産・ふ化機、簡易のと畜設備、運輸車両なども購入する予定だという。

コリアネット チャン・ヨジョン記者
写真:農村振興庁
翻訳:イム・ユジン
icchang@korea.kr